1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
“サービス業”とは?平日の午後、美術館で鑑賞していると4時25分頃に「4時半には閉館しますので、お急ぎください」とのアナウンスがされた。利用者に言わせれば、「閉館時間を了解した上で鑑賞しているのだから、ルールを守るのは当り前。今さらアナウンス(告知)しなくても良さそうなものだ」と利用者は反発する。他の公共施設でもこんな話しを聞く。施設の利用者が終了時間までフルに利用するのは当り前のことだが、管理側から言わせれば「チャンと終って貰わないと自分達はいつまでたっても帰れない。だから少し時間前に時間内に終るようにお願いしている」となるのだろう。どちらの言い分も正しいように思える。 しかし、どちらがサービスを提供している側か、を考えれば答えは一つのような気がする。 仕事柄、国内出張が多い。特に最近は月に一、二度は上京することが多く、自宅からも便利な山口宇部空港を利用するが、日帰りが無理な場合には都内に宿泊することとなる。そんな折にも、前述と同様のことを味わう。 先日、たまに泊まったホテルでの朝のこと。チェックアウト時間を延長して部屋でノンビリとしていたら、突然ドアが開いて清掃従業員が入ってきた。私を発見した彼女は「あ、失礼しました」と言ってドアを締めて出て行った。別に何の事件も起きた訳ではないが、私は、一応名前の通っている都内のホテルでこんなハプニングが起きたこと自体に驚いた。 「フロントとの連絡など、客室管理がキチンと出来ていればこんな不始末は起きるはずもなかろうに」と思った。でも、私のホテル宿泊体験で言えば、これに類することは日常茶飯事である。 一番甚だしいのは朝の掃除だ。大体ビジネス関係者は、7時から8時頃にソソクサと出かけて行く。後に残った者は、その日の予定がゆっくりしている宿泊者だから、当然、寛いでいる場合が多いのである。しかし、ホテルの清掃担当者は、各客室のドアをバタンバタンと開けながら、残っているわずかな(?)宿泊者に容赦無く自分の業務を遂行していく。廊下の清掃をするクリーナーの音も寛いでいる者にとっては過酷な追い立ての音に聞こえ、「あの無粋な大きな音は何とかならないものだろうか」と思う。 要するに、公共施設にしてもホテルにしても「誰がお客さんなのか?」という認識が欠けているとは言えないだろうか。この点は、私たち日本人に共通しているようだ。 県内の観光業界が、心のこもったもてなし促進行動計画として“ホスピタリティー宣言”をしている。 そのテーマたるサービス精神が必要なのは何も観光業界ばかりではない。 1997/06/03 |
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