1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
三人のトラバーユこの3月末で、私の職場の若い人が三人、新たな職域に進出(トラバーユ)するために退職した。三人の勤務期間は5年から10年。転職先の確定によるものが一人、全く違う職種に就くための専門学校に行くものが一人、そして好きなスポーツに力を入れるために退職するものが一人であった。最初の一人は、直接の部下である。マスコミ界で働くという11年前の自分の「夢」を実現した。個人的に相談があったときの私の結論は「ウン、それが良かろう。」周囲から将来を嘱望されている有能な人がこれほど真剣に考えているのだから、翻意は困難だろうと思ったし、この機会を逸すると将来彼が何かの原因で不遇な状態に陥った際には、必ずこのことを思いだし、後悔するだろうと思ったからである。 競争率数十倍という難関を突破した彼のことだ、報道記者、ニュース・キャスターとしてテレビ画面に登場するのもそんなに遠いことではないだろう。時々顔を出してくれるが忙しそうに頑張っている。 二人目は、仕事の場で知り合ったのだが、これが高校の後輩だった。デザイン専門学校に入学して再スタートを切ることとなったと言う。私が企画したデザイン講演会に出席して知り合った縁である。落ち着き先が決まったら連絡してくるはずだが、どうしているのやら。多分、夏頃にヒョッコリとシティガールの顔を出してくれることだろう。意欲のある人だから、何年か後には、新進のデザイナーとしてデビューすることだろう。 そして三人目は、職場のテニス部の後輩。新聞ではじめて彼の転身を知った次第。彼と3月に会った際には別の件で話し掛けてきたが、その時には、、、、、、。 私塾の講師をしながらテニス界の頂点をめざすとのことだったが、既に4月の公式試合で県のテニス界のナンバーワンの座を勝ち取ってしまった。彼の若さから考えれば、中國ブロックでも活躍してくれるのではないか、と大いに期待している。 彼ら三人に共通しているのは、決して「敗者」ではなく、『夢』を暖めた期間の長短に違いはあれど、自分の希望を自らの努力で追及しての「挑戦者」なのである。「給料が半減するのに」などと無粋なことを言うことなかれ。まさに時代が変化しているのである。むしろ、若い彼らが自分の人生に、自分の可能性に果敢に挑戦する姿に清清しさを感じる。このような機会に突進する彼らが眩しく見えたものだ。 彼らのチャレンジ精神を多少なりとも見習って生きていきたいとさえも思う。 身近にこれほど多くの例を見せられると、『時代は、物の豊かさから心の豊かさへ』というフレーズを思い起こさずにはいられなかった。若き彼らの将来に幸多かれ。 1993/05/12 |
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