1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
三つの懸念最近、国内の不祥事で有名になった(?)リクルートや佐川急便など、それまでは一般市民から一定の評価をされていた企業に勤務する社員は一体どのような気持であううか、叉、その家族、子供達の気持はどんなものだろうか?心ある社員の士気は低下しないだろうか、やる気を失い企業の生産性は低下しないのだろうか? 子供達にとって自慢の親が勤務する社名を言いたくない気持が生じたのではないか? 企業経営ばかりでなく、子供達にとっても「心のキズ」が生じたとすれば、事件の「負の効果」は大きく、大変悲しいことである。 ところで、市役所と市民が一体となって、ユニークな施設建設、イベント開催、キャンペーンの展開等を行うのは何のためだろうか? 言うまでもなく、湖水ホールの建設、現代日本彫刻展の開催、そして観光キャンペーンの展開などの自立的・内発的な地域活性化プロジェクトの実施を通じて、真に活力ある地域づくりを実現するのが目的である。 これらは、地域内には、企業の社員や市役所の職員等を含めて全市民の郷土宇部に対する愛着心・一体感を醸成することとなり、対外的には、宇部の「イメージアップ」につながる成果となるものである。地域の大きなエネルギーの集結である。 が、前述の企業の例ではなく宇部地域全体のイメージダウンとなるような不祥事が起きたとすれば、地域への影響はどうであろうか? 今、私達のまち宇部では『市長リコール問題』が発生している。地方政治が私達に身近になる点を除いて、宇部にとって「負のエネルギー発散」であり「イメージダウン」ではないだろうか? これに関して、私は『三つの懸念』を抱いている。それは、まずゴルフ場建設の賛否に関する市民間の対立、次に対外的な宇部のイメージダウン、最後は市役所内の士気の低下である。中でも「市役所内の士気の低下」には強い懸念を持ち、今後の宇部の活性化にとって重大な悪影響を与えるものと心配している。 市長の意見表明のあった1月20日以降の報道などによれば、市役所の幹部から若手の職員に至る多くの心ある人達がひどく落胆し、動揺していることが伺える。辞職を考えた人もあったと聞く。 地域振興に行政の果たす役割が重要なのは言うまでもない。が、中心的な役割を果たすべきその市役所内がこのような混迷の極に達しているとすれば、今後の宇部にとって誠に不幸な出来事であると言わざるを得ないし、このような事態に至らしめた責任は歴史上重大である。 宇部が当面しているこの深刻な問題に対し大胆で的確な判断が、今、望まれている。 1993/03/24 |
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