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随筆

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1. 三つのルール

2. 野外彫刻、三つの活用法

3. 三つの「ウェア」

4. 文化を育む三つの「C」

5. 三つの期待

6. 三つの懸念

7. 三人の地域リーダー

8. 優れた企業、三つの条件

9. ニューファクトリー、三つの効果

10. 三種の神器と三上の訓

11. 三人のトラバーユ

12. 深夜の国際電話

13. 選択的市民のすすめ

14. 明快少年出現!

15. ふるさと人材育成事業報告

16. 魅力あるまちづくりとは?

17. アメリカの常識、日本の非常識

18. 女性のバス運転手

19. たかがチップ されどチップ

20. ボーダレス時代の新市長に望むこと

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優れた企業、三つの条件

『グッド・カンパニーからエクセレント・カンパニーへ』と言われ始めている。
永い間、私達はよい製品をつくり、市場占有率が高くて強い企業、『グッド・カンパニー』を追い求めてきたように思う。
しかし、私達は強い企業が必ずしも尊敬に価する企業ではなかったことを最近の国内の実例から学んでいる。
今、時代は社会が尊敬する優れた企業、即ち『エクセレント・カンパニー』を求めている。それには、三つの条件がある。
一に、よい製品をつくること。
二に、社会に貢献すること。
三に、従業員に充足を与えること。
この「よい製品をつくる」とは、単に売れる製品、市場競争力のある製品をつくるというのではない。反公害は勿論のこと、地球環境保護意識の高まりの中で、企業自身が積極的に省資源・省エネ、再生産、リサイクルというテーマを念頭に「人と地球に優しい製品」をつくることが必要なのである。
次に、「社会に貢献する」とは、ただ単に社会の文化、スポーツ、環境保護活動に資金提供したり、物財を寄付するという直接的な貢献活動を指しているのではない。
自社の生産設備機器の一部を公開し、小中学生の育成のために科学教材として提供したり、体育館やグランドなどの保有施設を青少年のスポーツ活動に開放する。あるいは、法的な基準を超えて障害者を積極的に雇用することなども考えられる。また、従業員の中で有能な人材を地域活動に派遣したり、ボランティア活動に参加する社員に対しては、そのための休暇を有給制度化するなどの間接的な取組み・支援を指している。
最後に、「従業員に充足を与える」とは、従業員やその家族にとって、自社の給料等の報酬や福利厚生の勤務条件などで得る優越感以外に、自らが勤務する企業に誇りを持てることが必要なのである。
ハードボイルドの言葉を借りれば、これからの企業は「強くなければ生きていけない。しかし、優しくなければ生きていく価値がない」のである。
そこで、地域における企業はどうだろうか、と考えてみたい。
これまで「企業城下町」と呼ばれた地域では、地域における雇用吸収力、税負担力等の大きさから、一企業の動向が地域社会の政治経済ばかりでなく文化振興の分野にまでも大きな影響を与え、指導的で重要な役割を果たしてきた。
今、宇部が直面する混迷した事態の打開に向けた努力が各方面で払われているが、この不況下に、これまでと変わらない先導的、積極的な役割を求めるのは市民の身勝手であろうか?
『宇部方式』とは、行政、市民、学者、企業の四者が協力して宇部にとって、より良い・・・・現実的な手法を選択し、実践することであった。
お互いもう一度、このことを思い起こして、新たな解決策を導きたいものである。
                                    1993/04/14

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