1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
文化を育む三つの「C」「文化とは、耕すことなのでしょう?」とは、21日に行われた『中核都市リレーシンポジウム』のパネリスト村中りえさんの発言である。「文化」の本質を捉えた実に的確な表現であったと思う。私はこのシンポジウムで、多くのことを感じ、考えさせられた。まず、参加者が多く、会場からの発言が活発で時間が全く足りなかったほどに熱心な討議が行われたことに感動した。パネリストの数、テーマが「文化」という大きな切り口になってしまったことがそうさせたのだろうが、できればもう少し時間延長してでも議論してみたかったのは、私一人ではないだろう。 このような成果を導き、私達に多くのことを考えさせていただいた実行委員会、後援団体、パネリスト、コーディネーターの皆さんにお礼と称賛の拍手を惜しまない。手づくりでとても好感のもてる会議だったと思う。 壇上の皆さんが提供された多岐にわたる論点の中で、私は「文化」というソフトウェアに関する発言に大変興味を持った。その中でも冒頭の村中さんの発言は心に快く響き渡ったものである。我が意を得たりであった。 文化は、英語でCultureと表現され、1(ある国、ある時代の)文化、文明、2教養、洗練、3訓練、修養、4養殖、栽培(Cultivation)等と訳され、村中さんのおっしゃるとおり、Cultivate(耕す)も語源の一つである。 私達が、これから地域の文化を育める(?)としたら、三つのCが必要と思う。 第一には、Cultivate(地域固有の資源を発掘・開墾し、耕し、養生し、洗練する、奨励すること)である。当然に模索、悪戦苦闘、苦痛があることだろう。 第二は、Continue (地道に息永く続けること)である。シンポジウムを初めて開催するのも大変だが、それを継続することは遥かに難しいものである。しかし、その継続の中から新しい芽、若い息吹が萌え出ると思う。新たなCultivationが生じる。 田村洋さんは「豊かな土地に豊かな実がなる。自分の住んでいる山陽町の足元の石を磨く、磨けば必ず光る。」と言われたが、「磨く」は「耕す」に、「耕す」は「文化」に通じる。 第三は、Community-Identity(地域としての同一性の形成)である。「文化」を育む基盤が必要である。宇部・小野田地域の特質、一体性が確認される中から地域が独自に目指すべき方向が見えてこなければならないのだろう。「文化」とは、人間集団が社会などから修得し伝承される信仰・伝統・習俗などの外面的または内面的生活様式の総体であり、地域の特性を強く映すものだからである。 「地球の中心は山陽町である。東京でもニューヨークでもない。」と言われた田村さんの地方に生きる確信とエネルギーを感じながら我が家に向かった。 1993/02/25 |
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