三つのルール私達のグループには、「規約」なるものが存在しない。約5年前、「宇部のことが気にならないか?」と言って集まった8人が「勉強会」なるものを始めたが、活動が長い割には「規約」なるものが未だ存在しない。 よく、「グループの規約を作れば運営も楽でしょうに?」とアドバイスを受けることがある。大変有り難いが、いつも「メンバーの自由な意志を尊重すべきと思いますので、当面は作りません。」とお答えしている。 いい歳をした(?)大人が「グループの規約」不在が原因で、お互いに苦しむとしたら、ソモソモ地域社会の活性化を論じ、行動を続けることは不可能であろう、と思うからである。 地域社会の活性化のために積極的な意志を持って集まり、共に行動しても、何らかの理由で疲れたり、継続が困難になれば誰に気兼ねすることもなく、止めればいいのである。何もこだわることはないし、誰も批判はできない筈である。意志のあるところに道があるのだから。いつか、環境条件が変われば、どんな形でもいい、また行動を始めればいいと思う。「規約」で一様に律することは無用だと思っている。 「地域社会の活性化」とは、誰のためでもない、結局は、自分達、自分の家族、子供達のためなのだから。そんな人々が数多くいることが地域を元気にすることだと思う。 そんな訳で、現在グループに存在するのは次の「三つのルール」だけである。 1 宇部の活性化のために頑張っている団体、個人の批判をしない。 2 グループの活動には、「手弁当」で積極的に参加する。 3 各自の仕事の利害をグループの活動に持ち込まない。 高校の同窓生とはいえ、卒業後20年以上が経過しており、メンバーの関心、意見はマチマチ。職種も建材卸業、海産物販売、団体職員、公務員、勤務医師、造園業、鉄工業と見事にバラバラであった。おまけに、職場内での地位も社長、専務といった経営トップ層から課長補佐や係長などの中間管理職層まで、これ叉変化に富んでいた。 いわば文字通りの「異業種交流」であったが、今考えてみれば、この点が良かったのではないか。 当初は、お互いの家族、職場、人間関係、そしてパソコンの話など、話題がアチコチに飛び交い、なかなか本論に入れなかったが、次第に宇部の現状についての意見が出てきた。ひとしきり過激な議論をした後に、誰かが「市役所や他人の批判をしても仕方がないし、何も変わらないよ。そんな宇部の現状に対して評論するのではなく、俺達がどうするかが問題じゃないのか?」と発言した。これが切っ掛けで「グループの三つのルール」が出来上がった次第。 長く活動しているグループにしては、珍しいかも知れない。 1993/01/13
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