1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
ふるさと人材育成事業報告この街では、車のクラクションや急発進の軋みによる騒音は全く聞こえません。信号のない車道に横切る人がいなくても、必ず車は停止線でゆっくりと停止し、そしてゆっくりと発進します。街の中を走る車のスピードは、一様に時速40キロ以下。 2、3台の自転車が横一列に並び、それも車道を闊歩するように特別に設定された「自転車レーン」を颯爽と走っています。 自転車に乗る人は、長い髪を風に靡かせて、思い思いの軽装で気持ち良さそうにペダルを漕いでいきます。 通路の向こう側から歩いてくる人がこちらを見てにっこりと微笑み「こんにちわ」と言います。すると、こちらも自然に「こんにちわ」と答えます。 通りの両側の家には垣根がなく、殆どが緑の木々と庭に囲まれた平屋です。 この街では特別な時間がユックリと過ぎていく、そんな錯覚に陥ります。 さて、この「まち」は何処でしょうか? これは、新しく完成した「シンボルロード」の朝の一光景でも、10年後の宇部新都市の完成イメージでもなく、アメリカはカルフォルニア州デービス市の日常なのです。 私は、宇部市ふるさと人材育成の助成を受け、約1週間かけてデービス市を訪れました。デービス市は、私達トーク・ウベ21にとっては、特別な意味があります。約4年前、デービス市を紹介したあるビデオを観たことが、私達の提案書「宇部の未来を見つめて(彫刻スケールのまちづくり)」の作成に大きく影響を与えたのですから。 11年前にロンドン、3年前に香港を訪問していますが、今回は、また特別の狙いがありました。デービス市行政や市民と市内のカルフォルニア州立大学デービス校(略称:UCD)との関係が宇部市行政や市民と山口大学、宇部短期大学、そして東京理科短期大学との関係に何かヒントがないか、また「自転車スケールのまち」田園都市デービス市の開発計画が今後の宇部にとって参考になるのでは、という期待を抱いてデービス市を訪問したのです。 実質3日間の滞在で、多くの人の好意に恵まれ、多くのものを見ました。 まさに異なる文化、風土、人々の中に身を置きますと、一人の人間の存在、日常的な発想や言動の小ささを改めて痛感しました。 宇部の現状をもっと永く、大きな視野で考察する必要も感じたものです。 アメリカは広大で多様な国、ここデービスも健全なアメリカと病んでいるアメリカの両面、光と影、明と暗の一部を垣間見せてくれました。当然ながら、短期間、それもたった一度の訪問で「アメリカとは、デービスとは、、、、、」と述べることは無意味です。出きれば少し時間をかけ、私なりに整理し、改めてご報告したいと思っています。 さて、この人材育成事業は、確か平成2年度からスタートしたと記憶しています。お陰で私自身も有意義な体験をさせていただきましたが、この事業を市当局にはぜひ継続していただき、市民の皆さんが積極的に有効活用されるように期待します。 1993/06/09 |
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