1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
I先輩春は、別れと出会いの季節。先日、職場のテニス部のI先輩の退職を祝う会があった。 I先輩との付き合いは約20年に及ぶこともあって、思い出は数多く、多くの事柄を教えていただいた。 まず、勝負の厳しさである。 特に、自分一人が結果責任を負うシングルプレーでは、「格下の相手には、1ゲームたりとも与えてはいけない」とシビアなプレーをされていた。1ポイント、1ゲームを疎かにして苦い経験があったればこそだろう。つい油断し甘いプレーをしてしまって後悔する私ども後輩には、彼のプレーは非常に良いお手本であった。 次に、我慢すること。 1時間にわたる試合の中では、自分のミスを多発し、ジャッジに対する不満も生じる。しかし、彼がコート上で立腹したり、判定に不満を表明することは滅多に見たことが無かった。この点は見習おうと努力してもなかなか実現できない点だった。 最後には、組織の中での調整の方法。 テニス部のマネージャー(幹事長)を数年間勤めたことがある。当時の私の相談相手は、理事長をされていたI先輩だった。いつも部員にラジカルな要求をしがちな私を諭しながら、穏健な改革を指導をしていただいた。時間が経ってみて初めて、その狙いや効果が理解できたものである。 以上の点は、どれを取ってもテニスの分野に限らず重要な事柄だと思う。 また、酒好きな先輩だった。試合の反省会も簡単には終わらず、I先輩のお宅に伺ってさらに深夜まで酒を酌み交わしながら、色々な話しをして泊めていただいたのも楽しい思い出である。 その日の送別会の席上では、多くの友人、後輩が異口同音に彼のプレーの堅実さ、人柄の良さを賛えていた。そして、適度に酒が入ると、いつもの通りにその場に車座ができ議論が始まっていた。何年経っても未熟な技術と未完成の人格しか持ち合わせていない自分にとって、I先輩はいつまでもお手本である。 夏前には、第二の職場に赴かれるとのことであるが、「五月には、新婚旅行以来初めての女房孝行をしに海外に行く」と言われていた。 健康に留意されて交友関係をさらに広げられ、楽しく充実した第二の人生を送られるよう祈っている。 1997/04/21 |
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