1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
メール“悲喜交々”最近、名刺に電子メール番号を記入している人が増えた。これはなかなか良いと思う。「私は、電子メールを使っています。お便りください。」と名刺が代弁している。私もこれに習って、最近作った新しい名刺には電子メール番号を記入している。すると思いがけず楽しいことが発生する。 私は、毎朝晩にインターネットの自分の電子メールを開いているが、ある日、突然、意外な人から電子メールが届いていることがある。「おや、この人も電子メールを使っているのか」と嬉しくなってしまう。それがきっかけでしばらく連絡していなかった知人との“音信”を再開したこともある。 頻繁には会えないが、電子メール上では毎日会っているようなもので、親近感が増長される。手紙や葉書を書くという習慣が身に付いている人には無縁の話しだろうが、筆無精の自分にとっては非常に便利なもの。大げさに表現すれば、電子メールは時間と空間を超えることができる訳だ。 手紙や葉書の場合には、保存にも工夫がいる。様々なサイズの封筒や手紙を保存しておくには、それなりのスペースが必要である。長い間には保管場所も忘れてしまい、イザ必要なモノを取り出したい時にはどこにしまっているか忘れたことが多いものだ。その点、電子メールはいつもはパソコンの中に順序良く整理されているので、いつでもオープンできる。検索やコピーも自在である。情緒や風情が無いことを除けば非常に扱い易いものである。 でも良いことばかりではない、逆に、寂しくなることもある。 初めて会った人に貰った名刺に電子メール番号があったので、早速その晩、昼間聞けなかったことを尋ねようと思って電子メールを送った。「さて、どんな返事が届くかな」と期待していた。しかし、何日たっても返事が届いていない。多分、その人は電子メールを常時使っているのではないのだろう。会社や部下がその人のために電子メールを準備したのだろうが、ご当人は電子メールに興味が無いらしい。そのうち、彼に電子メールを送るのを止めてしまった。 また、直筆ではないので、その時々の相手の感情、気分等を読み取ることは不可能に近いし、年月がたって読み返しても“想い出”らしき感慨は得られないだろう。インターネットや電子メールというものは、あくまでも「効率性」を重視しているのであって、過ぎていく時間を余韻をもって楽しもうという場合には適切ではあるまい。 旅先の、ホテルの部屋に置いてある葉書を使ってしたためてくれた便りなどは、受け取った自分までにも「旅情」を届けてくれる。電子メールにそんな楽しさは期待できない。 自分の生活を豊かにするのは、各々の特徴を活かして使える自分自身である。 1997/04/08 |
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