1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
旧交大学生の次女がいよいよ最高学年になる。既に就職のための情報収集活動を始めているそうで、春休みもソコソコに、家を離れてしまった。小郡駅に送っていく車中、「アッと言う間の3年だったワ」と言った彼女の発言は振るっていた。早くも、心は社会人生活に向かっているのかもしれない。少しづつ自分で道を拓いてくれるように祈らずにはいられない。 大学生としての彼女の3年間は早かったが、先日会った中学、高校時代を通じての旧友との30年もあっという間であった。まさに“光陰矢のごとし”。お互い顔を会わせても、しばらくは最初の言葉が出なかった程である。 しかし、一言お互いの口から昔の話しが出てしまえば、飛ぶように過ぎ去った30年をタイムスリップするのに何の苦労も要らなかった。 話しは一ヵ月くらい遡る。 市内に住んでいる高校の同級生が「タイにいる○○が帰ってきて、河野に会いたい、と言っているので時間をとれないか」と電話してきた。 二、三年に一度宇部に帰ってきているらしいが、バンコクとの往復、それも東京経由だからなかなか時間がとれなかったらしい。 電話で名前を聞きながら、初めて会った中学時代の彼の顔を思い出した。クラスは違ったが生徒会活動で知り合った彼は、単に成績が良いというだけではなくスポーツも万能で、丸顔で大柄な彼は周囲からは頼りにされるというタイプだった。 同じ高校に入りながら何となくお互いに離れ、あまり親しいという関係ではなかった。しかし、相手の行動は結構気にしていたように記憶している。 卒業後は、全くの音信不通だったが風の便りに聞く彼の“うわさ”には関心があった。宇部の友人の間でも、何年に一度は彼の話題が出て、タイに駐在しているとは聞いていたが、時折宇部に帰っていることは知らなかった。 そんな彼が、卒業後にお互いの大学に行く際、私と最後に別れた時の状況をはっきりと覚えていたことには驚いた。 そして、当時、彼が抱いていた私に対する思いを次々と開陳してくれたことにも感銘を受けた。その発言には五十才を直前にした自分には失われてしまった純粋な気持ちがあったと感じた。 しかし、酒を飲みながらの数時間はあまりにも短かった。彼の発言に対する私自身の釈明もできないままにその夜は別れてしまった。 彼が誘ってくれたように、二、三年のうちにタイを訪問してみようかな、とフッと思った。 1997/03/24 |
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