1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
グッドウィル・ガイド冬の陸奥は身を切るような厳しい風が吹いていた。しかし、前日の降雪とはうってかわって快晴。西国からの訪問者を歓迎するかのような温かい日差しが降り注いでた。訪問予定先の予定が変更になり半日の余裕ができたお陰で、私は仙台市内の図書館や県立美術館に行ってみることにした。 そうは言っても余り時間がないので、タクシーを使うことにして「西公園の中にある図書館にお願いします」と言って乗り込んだ。10分程度走った後、タクシーは公園の中で止まった。が、見渡しても目指す図書館らしき建物が見当たらない。何か公共施設らしき建物があるので近寄って見ると、「仙台プラネタリュウム」とある。「変だなぁ」と思いながら窓口で訪ねると、来た方向に戻る場所にあるらしい。「あのタクシーの運ちゃんは何を聞いてたのだろうか?」と不思議に思いながら10分ばかり徒歩で目的の図書館に到着した。市内の比較的中心部に立地しているためか、図書館は平日の午後にもかかわらず多くの利用者が入館していた。 さて、二、三十分程度で館内を見学した後、次の訪問予定の県立美術館に行くために大きな道路に出た。近くにタクシーが止まってたので、先程と同じ轍は踏むまいとまずはその運転手に「運転手さん、県立美術館はどこですか?歩いたら遠いのですか?」と尋ねてみた。すると、その若くて素朴な運転手君は「あそこですよ」と私が歩いてきた方向、つまり図書館の向こう側を指さして、「道路沿いにクルッと歩いても五分だね」と言うのである。「あ、近いじゃないか」と思ったので、運ちゃんにお礼を言って歩きだした。実はこれが甘かった。教えてもらった道順に沿って歩いても歩いても美術館の姿が見えないのである。 十五分くらい歩いた後に、とうとう私は近くで話し込んでいる女子学生に「県立美術館はまだ先でしょうか?」と尋ねた。「ウーン、歩くと結構あるけど、あの向こうの信号を渡ってしばらく真っすぐ歩くと右側に見えるのが美術館よ」と言う彼女達の返事を聞いて私はガッカリした。 一日に二度も、それも立て続けにこんな目にあうと腹も立ってしまう。要するに、最初の運転手さんは“西公園の中にある図書館”を“西公園”に、次の運転手さんは“歩いて何分”を“車で何分”に聞き間違えたのである。 たまたま二度しか、それも別に被害にあった訳ではないのだが、情けないのを通り越して苦笑いしてしまった。まるで落語じゃないか。 観光振興をめざす宇部のタクシー運転手の方々、どうか宇部ではこんなことが無いようにお願いしますよ。 1997/03/09 |
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