1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
地域づくり焚き火私論先日、庭で焚火をしながら、こう想った。大きな木には、いくら乾燥していてもすぐに火は着かない。マッチや種火、藁や新聞紙、そして柴や小枝などが必要である。そんな「焚火」は地域づくり活動と似ている。 まず、藁や新聞紙(市民活動のステップA)に火をつけるためにはマッチ(人材、物材)が必要だ。この藁や新聞紙は、それらが湿っていないかぎりは簡単に着くし類焼もする。今迄、周囲(地域)に火が無かったものだから、非常に衝撃的であり注目を浴びることとなる。でも、燃焼(活動)する時間や発生するエネルギー(他への影響力)は僅かなものだ。また、途中下手に掻き回したり、突風が吹き込むと消えてしまう恐れがあり、火を消さぬように慎重な扱いが必要な時期である。 次に、この藁や新聞紙が燃え始めたら柴や小枝(市民活動のステップB)を重ねる。この時、藁から柴へ移行するタイミングの見計らいが重要で、また柴の置き方も微妙である。下手に乗せると下の藁が押し潰され火も消えてしまう。これらの柴や小枝は一旦火がつくと熱エネルギーは大きく、火持ちもよく、かなりの時間燃え続ける。これらの柴や小枝を事前に集める場合には、斧、鉈、鋸、鎌(説得力)などが必要で、さらに長さや太さ、乾き具合などを揃える配慮(企画・計画・構築力)があれば上出来だ。柴や小枝の燃え方(組織・運営手法)が安定していれば、周囲も安心して見ていれる。 そして時々、酸素(行政からの助成、他地域の視察や交流などによる外部からの刺激)を送り込むために団扇で扇いだり、火掻き棒で少し間を空けてやったりすると、更に元気良く燃えはじめる。 しかし、この段階に達しても、大きな木(地域全体の変革運動)には火が着かない。総合的な火力(魅力、訴求力、浸透力)がまだまだ不足しているのだ。大きな木が少しでも湿っているとなおさら困難である。大木に点火するには柴が束になった強力な火力を持つ薪(各団体や組織の具体的な連携)が必要となる。 薪が燃え始めれば周囲もその燃焼を無視できず、むしろ周囲(地域)を暖める力を持つその火力(市民活動)を進んで利活用し始める。初めは小さな火種もここまで来れば周囲(地域)を明るくし、熱(変革のエネルギー)を供給できることとなる。 藁や新聞紙だけでは大きな木が燃え始めないと同様に、地域を変えていくための活動にも戦略的な“焚火”が必要である。 半年後には市長選挙と同時に市議会議員の補欠選挙も行われる模様であるが、これを今の宇部の沈滞状況を打破する“きっかけ”にしなくてはならないと思う。 1996/02/18 |
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