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キャナル・シティ今年4月福岡博多にオープンした、商業施設や劇場などが入っている「キャナル・シティ」のことを評して、“入場無料のテーマパーク(朝日新聞)”とは、よく言ったものある。劇場のほか、映画館や大型ゲームセンター等の娯楽施設があって、若い人達にとっては一種のテーマパークにも感じられるのであろう。それに加えて、昨今の野外志向を反映したアウトドア・グッヅの世界的なショップが入居しているともなれば話題にも事欠かない。このような複合型施設は、可処分時間と可処分“所得”の多い若者にとって格好の都市型、時間消費型のアミューズメント施設であることに間違いは無い。この種の施設に買い物客を含む多くの若者が集まるのは既に国内ばかりでなく世界各地で実証済みである。 同紙によれば、本年中の入場者数を一千六百万人に、売上額を五百五十億円にそれぞれ当初予想を上方修正するとのことである。 山口県から実際に行った友人の話を聞くと、「なるほど」と思わざるを得ないことが多い。その友人の話しはこうである。 まず、この巨大施設の出現による周辺の交通渋滞には度肝を抜かれるらしい。予想外の周辺道路整備が目下最盛期のように行われていて、これまでの街並みがガラリと豹変するのではあるまいか。 次ぎに、近隣の駐車場の料金が高いこと。30分が200円というからすごい。 さらに、「キャナル・シティ」に入居している各飲食店がこれまた満員らしい。が、これには訳があって、「キャナル・シティ」の各階フロアには、買い物客が休憩を兼ねて入るような飲食店は設置されていないらしい。このため、いきおい階下の飲食店に大勢の人が集まり、外から見ると列ができるほど“大入り満員”となるのではあるまいか。そうだとすれば、これはなかなか心憎い“仕掛け”である。 この状況は、二、三年前の東京目黒の「恵比寿ガーデン・プレース」のオープン時を彷彿とさせる。周辺の渋滞、多数の入場者、多額の売り上げなど軌を一にしている。 おそらく地元のシンクタンク等が地域への波及効果と称した経済効果を推計していることであろう。経済効果が地域に好結果ばかりをもたらすとは考えられないが、施設建設の目的であろう求心力のある施設の設置については、我が宇部市も参考にするところが大ではあるまいか。 個人的な興味としては、このような大規模複合施設をプロデュースした人物に合って見たいものである。 1996/12/16 |
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