1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
ジェンダーラジオから「福祉マンパワーが不足している」という発言が聞こえてきた。“マンパワー”、よく聞く言葉である。そのまま“人の力”とでも訳すのであろうか。サラリーマン、セールスマン、ガードマン、ドアマン等など、男性が働いている姿が思い浮かべられるようだ。が、一方ではアクター(俳優)に対してアクトレス、ウェイターに対してウェイトレス、キャリア・ウーマン等という表現も存在している。 さらには、スチュワーデスに対してスチュワードという表現もあるし、看護婦に対して最近では看護士という表現もある。その職業の成立背景やその時代環境が推し量れて、大変に興味深いものがある。 最近「オンブズマン制度」に関する検討をしている時、最初に突き当たったのが「オンブズマン」という表現。当初、私は、「〜マン」という語尾から考えれば男性名詞であろうが、発生がスウェーデンということで、この「オンブズマン」という言葉をそのまま固有名詞としても良かろう、と思い込んでいた。 しかし、ある女性から「“オンブズマン”の語尾を取り除いて、“オンブドゥー”という表現が適当では?」との指摘を受け、現在、スウェーデン語も含め、公的な表現として最適な用語を検討中である。 このように、私達の使っている外来語やそれから派生した造語も含めた「日本語」の中には、男女の両性の区別意識無く、単語として慣用している言葉が多くある。無意識のうちに、幅広い意味での“社会的な差別用語”を使っていることに関心を持たなければならない、と思う。 こんな光景を思い浮かべていただきたい。 ある委員会の途中、女性も含まれた委員さんにお茶のサービスが行われている。日本ではどこでも当り前の光景である。(我が国の)大方の会議では、湯茶のサービスは女性の担当、と相場が決まっている。(「そんなことは、ナイッ!」と声を荒げるご人もいらっしゃるであろう。それは結構。) さて、その会議に出席の女性委員さんは、当然の事のように(?)、美味しそうにお茶を飲んで、議論に夢中である。 そして、くだんの女性委員は、その会議でこのように発言するのである。「職場で、来客があったら、必ず女性に向かって、オイ、○○さん、お茶!ですからネ。朝早く来てお茶の準備をするのも女性ですからね、なんと男性諸氏は配慮が足らないんでしょうか!」(これは架空のシーンであって実際にあったことではありません、念のため。) 男女の区別無く、長い間に浸み込んでしまっている“男尊女卑”の考え方を足元から見直し、是正することは大変に難しいことだと思う。 1996/11/12 |
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