1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
わが相棒グラ-2我が女房が帰国して、私は大変気楽になった。自分のことではなく、この間頭から離れなかったグラの世話から開放されたからである。するとグラの行動がいつものパターンに戻った。私には「アンタに付き歩いたのは別の猫です」とでも言わんばかりに、夜帰宅した私を遠くから見ている。 朝の行動もいつものとおり、我々二人がテーブルで向かい合って食事を取っていると、私の右横の椅子に飛び上がってチョコンと座る。いつもは長女の席であるが、不在の期間はグラの指定席だからである。 トーストやハム、ソーセージ類の臭いがして、彼に食欲がある場合には、いつも決まった行動をする。黙って、前足で私の二の腕をつっつくのである。「チョット、チョットー、判っちょるじゃろ?」とでも言いたげ。 私が一度や二度無視したからといって、彼は決して諦めることはない。何しろ思いを遂げるまで、傍を離れずに何度も私の腕をつっつく。それでも私が無視し続けていると、ガブリと腕に噛みつくことがある。こんなことは珍しくはない。 何かを口にして満足すると、その次は、キッチンの窓から外をジッと眺めるようになる。「朝から何か考えることがあるんだろうか?」と疑うほどに、ジーッと外を凝視している。こんな時に「オイ、グラ」と声をかけても無駄である。彼は尻尾を一度ピクッと左右に振って返事をするだけ。ただ、律儀なことには、声をかけるごとに彼は尻尾を一度ピクッと振って合図する。「聞こえているよ」とでも言っているのだろう。私が面白がって何度も「オイ、グラ」と声をかけてると、「朝から、いい加減にしたら」という声がかかる。 夜の行動も落ち着いてきた、と言っても私は最近は仕事の疲れもあって(?)“白川夜船”であるが………。グラも信頼する女房が対応するので安心し切っているらしい。時には、私の布団の上を踏みつけて寝室を横断していくことがある。 6キロもの体重があるので無用心に寝てる時に腹の上を歩かれると、「ウッ」と声が出て、目が覚めてしまう。私の日頃の態度が気に入らないので、彼はこの時とばかり、嫌味なことをするんだろうか。「コノヤロウ!」と叫んで、枕を投げつけたくなる。 でも、暦は十月に入り朝夕はメッキリ冷え込んできた。夏場、暑苦しくて寄せ付けなかった毛むくじゃらのグラだが、これからは少し仲良くして、コタツ代わりにしようかな。 1996/10/07 |
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