1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
人の和-2大規模なイベントを成し遂げるには勿論大勢のスタッフが必要だが、良い成果をもたらすには人数ばかりではなく、チームワークが大変に重要である。今回のイベントを実行する段階で、山口県、地元下関市と第三セクターの職員から構成する「実行委員会」という形式を採った。いわゆる“寄せ集め”の所帯である。 今回のイベントの企画は1年半前にスタートしたものの、4月に事務局に参加したメンバーは私を除いて全て新参者で、スタート当初は、イベントの趣旨や狙いについてさほど詳しくは無かった。したがって、時間がたつにつれ個々のイベント内容には理解が進んでも、「何のために何故このようなイベントをやるのか。」という点については不明確な点が多いようであった。 私としては何度となく話し会う機会を設けてジックリ説明をしたが、思うようには理解が進まなかったようである。これが原因で、私を含む事務局メンバーの間でしばしば誤解や言い争いが生じた。この点については、チーフである私にすべて責任があると反省している。 イベントをプロデュースしていく場合の自分の役割は何か。自分が事務局長を勤めるにあたって、私が胆に命じた三つの事柄がある。私はこれを“三つの気”と呼んでいる。 第一は、些細なことにクヨクヨこだわらない“陽気”、次に、物事に柔軟に対応して行こうという“のん気”、最後に、途中で投げ出さないような“根気”である。 特に、“のん気”は重要な要素だったようだ。小さな連絡ミスでも何度も重なると大きな感情的なもつれになってしまう。みんな自分こそが最も一生懸命に頑張っている、と思っているから、他人の説明は全て言い訳に思えてくるものだ。「にわか作りの寄せ集め所帯」ではイザという時にはうまく機能しないことが多い。何のシコりも残らない筈の些細な事柄が尾を引いてしまうものである。 そんな時には、何を言っても修復がきかないが、「もう過ぎたことを追及するよりも今後うまくやるようにお互いに気を付けようよ。大事な本番はこれからだから。」と声をかけると不思議と静かに納まってしまう。みんな大変に疲れてはいるが、ことの重要性はしっかりと理解しているらしい。さらに、こんな時には、皆が陽気になれる「楽しくやろうよ」という言葉が最も効果があったようだ。 準備期間を入れると約3ヵ月、事務局メンバーやイベント関係者全員が最後まで頑張れたのは「まれに見る大規模イベントを成功させたい」と願うチームワークではなかったのだろうか、と思えてならない。 1996/08/18 |
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