1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
人の和「暑中お見舞申し上げます。先日は“海峡メッセ・オープニング・イベント”お疲れ様でした。まだまだこの暑さは続きそうです。くれぐれもご自愛くださいますようお祈り申し上げます。」これはオープニング・イベント期間中、ボランティアとして参加してくれた下関の東亜大学生からの便りである。 主催者としては、県、市の行政機関から昼間の駐車場整理要員は確保したものの、実のところ夜間の駐車場整理や各イベントの搬出搬入等のスタッフにはまだまだ不充分な体制であった。 そんな折、かの大学のボランティア・サークルから「海峡メッセのオープニング・イベントで何か手伝えることはないか?」との連絡が飛び込んだ時には、まさに“地獄に仏”の感がした。実は、開催期間中の駐車場整理を中心としたスタッフには是非ともボランティアのお手伝いが欲しいと願っていたからである。 早速、期間中毎日十五名程度の協力要請を即座に快諾していただいた。私どもとしては、当初から何もお礼ができないことはお断りしていたが、そんなことには一向にお構いなし。期間中の彼等の働き振りは若い人だけが持つ清々しさと純真さに満ち溢れていた。朝早くから深夜に及ぶきつい作業にも不平一つも言わずに協力していただけた。一同、本当に頭の下がる思いであった。 数多くのスタッフの中には彼等以外にもアルバイトの若者もいたが、不思議なことに「報酬」を得て働いてくれた人よりもボランティアとして参加してくれた彼等のキビキビとした活動振りが実に爽やかな印象を残してくれている。 さて、日本銀行下関支店の試算によれば「オープニング・イベントの経済波及効果は直接需要約十八億円、生産誘発額二十三億円」との評価もいただき、当初の狙いどおりに地域振興に一定の効果を収めたものとホッと胸を撫で下ろしている。 成功に導いた要因は数多く、しかもそれらが相乗効果を発揮したからこそ大きな成果をもたらしたものと思うが、私には、何といっても“関わった人の思いの深さ”が最も大きな要因であったように思える。仕掛けた人と参加した人との“地域の活性化に対する共通の夢”、“地域づくりへの思い”が共創(Collaboration)した結果ではないだろうか。その最たる例が前述の東亜大学生のボランティアの皆さんの爽やかな活動振りであったように思えてならない。 そんな風に振り返って考えてみると、今回のイベントを成功させたのは勿論「天の時、地の利、人の和」であったろうが、本当に大切なのは「人の輪」であると教えられたような気がする。 1996/08/13 |
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