1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
地の利今回の海峡メッセ・オープニング・イベントの参加者数が二十万人を超えた要因には好天候の次には「地の利」が上げられる。当初、多くの人に参加して貰うには、山口県西端の下関地域からどのような広報PRを行えば良いのか、と考えこんでいた。県央部にマミメディアが集中している現状からして、西端の地域からの県内への情報発信は至難の業だからである。 が、あれこれ悩んでいるうちに、海の向こう側に大きなマーケットがあることに気がついた。車でトンネルを十分間走れば門司に着く。そんな大きな街が海峡の向こう側に近く控えている。何もユーザーを県民に限定することはない。 そんな風に考えると、随分と気楽に取り組めるようになった。 以来、二十数万人の下関市を中心とした豊関地区に加え、北九州の百万人をターゲットにして広報戦略を展開したつもりである。 終わったから言えるが、実のところ、参加予定者数二十万人の確保には悩んでいた。九日間で延べ二十万人といえば、一日あたり二万人の動員が必要なのである。公演系のイベントでは施設の収容能力に限界があるため、展示系や屋外系が重要な位置を占めることとなる。 これらの諸条件を検討した結果、以下の理由で、自主企画、特に「子供向けのイベント」の広報PRに力を注ぐこととした。 夏休みの第一週は行事が詰まって県外旅行には出ていないから、魅力のある良いイベント情報次第では、スケジュールをやりくりして来場して貰えるはずである。 このため、子供向けイベントの広報PRにはこれまでと違って詳細な情報を出していく。 そして、このマス・コミュニケーションに馴染まない情報を口込みやミニ・コミに乗せて広報していくこととした。 さらに、スタート1ヵ月前には下関を中心とする豊関地区と北九州地域に的を絞った上で、この地域に強いメディアやタウン情報誌を通じて、徹底的な有料広告とパブリシィティーを展開した。恐らく約二十万枚作成したリーフレット類も、この地域には十五万枚を集中的に厚く配付しているだろう。 かくして、「世界の絵本展」や「お猿のジョージの原画展」、そして「音楽ワークショップ」などの「子供向けのイベント」には、当初見込み数を二倍も上回る参加者が連日来場されていた。 実はこの参加者数に私たち事務局スタッフが最も驚ろかされた。サンプル調査してみると、何と参加者の四分の一が地域外から、特に北九州地域からの来場者だった。 海峡の向こう側の街からの反響は私たちの想像を越えていた。「地の利」について考えさせられた。 もっとも、催し物の内容の素晴しさがこれほど多くの来場者を招いたことを忘れてはならないのだが。 1996/08/5 |
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