1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
草刈り夏草は成長が早い。梅雨があけ、空き地や畑でわずかの間にグングン伸びる雑草を刈る時期が来た。ご経験のある人ならご存じであろうが、この草刈りがナカナカの癖物である。 特に、土地が平均的に平らでないと往生する。以前畑だった場合には間の溝があるので、足場がデコボコで転んだりすることがあり得る。 また、重い草刈り機を使っていると、草の根っこは何とかなるが、木の切り株が残っていたり、大きな石、金物、廃棄物等が草の陰に隠れていると大変なことになる。前者の場合には、鋸が木に食い込んで止まることで決着するが、後者の場合には、鋸の歯が欠けたり、ひどい場合には機械が壊れるたり石や金物の破片が身体に向かって飛んでくきて大変に危険だ。 定期的に草刈りをしなければならない場合には、出来る限り草が生える下の土地は平らにしておくこと。草や木の切り株、特に石や金物など鋸で切れないもの、あるいは鋸が傷ついたり壊れるものは草が伸びていない時に除去しておくこと、等が大変に重要だ。 効率的な草刈りができるか否かは機械の性能もさることながら、土地の形状や石、金物、廃棄物の存在に大きく影響される訳で、要するに、草刈りを楽にするためには、草刈りのし易い土地が必須だということである。 大汗をかきながら草刈り機を使っていると、フト「草刈は地域の運営に似ているな」と思えた。草刈り(利用、運営)を楽にするためには、その下の土地(基盤整備)の状態が重要ということだ。 例えば、行政が「箱物(施設、ハード)」や「使用ルール(システム、ソフト)」を作って基盤整備をし、完成後に民間(市民)に運営を委ねる場合を考えてみよう。 よく利用者から「何でこんな使いにくい機械を設置したんだろう?」とか「こんなに大金をかけたのに○○が無いんだよね」、はたまた「使いにくいルールだなあ、もっと柔軟で夜遅くまで貸してくれないかなあ」などと不満が出ることがある。 この原因の多くは、建設構想を練ったり基本計画を建てたりする時の設置者側の取り組み姿勢に問題がある。計画を決定する前に利用者サイドに立った十分な検討や専門家や経験者の意見を聴くことが必須だが、「時間が無い」、「横槍を入れられそうだ」とかいう理由でとかく設置者側の独断的な考えのみですすめるることが多い。 その結果、利用者のニーズやレベルに合わない施設、機能を造ってしまうこととなり、次第に利用率が低迷するという悪循環を生んでしまう。しかし、問題は運営の巧拙ではなく、施設づくりに注がれた英知の多寡である。 利用者のために良質の基盤整備をする重要性は草刈りの場合の土地と同じ、と思った次第である。 1996/07/14 |
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