1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
コンベンション-1コンベンションの経済波及効果が唱えられて久しい。これ程までにコンベンションがもてはやされる理由は、簡単には観光客に比較してコンベンション客の落とす金が多い、ということである。あるシンクタンクの調査では、観光客一人の消費額が1万5千円であるのに対して、コンベンションは1万8千円という結果が出ている。 しかし、コンベンションのもたらす地域社会への効果は経済面のみでなく環境改善、文化創造にも及ぶ。「交流人口」の増加がもたらす地域に対する波及効果は図り知れないものである。 さて、このたび「宇部市観光協会」が「宇部市観光コンベンション協会」に変わった、という記事を拝見した。民間活力を導入した新組織によって会議・観光客の誘致と需要創出の期待が込められている。 記事中、先輩の山口市と下関市のコンベンション協会について触れられていたが、この二者に関しては少し性格、狙いが異なっているようだ。 前者は、従来の観光客誘致からコンベンション客の誘致へとターゲットを広げたという見方ができるが、これに対して後者は二点が異なっている。 第一には、コンベンションの誘致対象を海外までにも広げ、運輸省の「国際会議観光都市(いわゆるコンベンション・シティ)の」認定を得ているので、日本コンベンション協会からの情報提供や助成等の支援、特典が得られる点である。 第二点は、ソフトの拡充のみならずコンベンションの中核的施設である「国際総合センター(愛称、海峡メッセ下関)のオープン」という追い風を受けているという点である。 いづれにしても時代の変化に即応した誘致戦略を展開する姿勢は評価される。 ところで、「海峡メッセ下関」は、現在のところ、各施設の平均利用率がオープン後の半年間で5割を超えているが、その経済波及効果について、少し考えてみたい。 タワー搭乗客を年間30万人を見込んでいるが、タワー搭乗料と合わせた消費額は、一人平均千円とすれば、年間では3億円となる。 次に、コンベンションには年間5万人、一人の消費額が1万8千円と想定すれば、9億円となる。 さらに、展示見本市の設営に投資する波及効果額は、約5億円程度が見込まれる。 大雑把に見積もると、これらの合計で年間ザッと17億円の新規需要の創出が地域に対する経済波及効果と見込まれる。 17億円といえば、大変大きな額であるが、毎年この状態が維持されれば地域への経済波及効果は図り知れまい。 このたび再スタートした「観光コンベンション協会」のコンベンション・ビュローとしての先導的、戦略的な役割がこの点に求められているのは自明であろう。 1996/07/01 |
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