1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
カナダ・アメリカ-5「荷物運び」今回は、特に外国と日本の比較ではなく一般的な話しとなります。海外から帰国して、例えば福岡空港に着くと、私達は荷物を受け取って車や地下鉄に乗り込むこととなります。 その際、海外といえば何かと大袈裟な準備をしがちな私のような人間にとって、荷物はまさしく“お荷物”となってしまいます。空港に誰かが迎えに来てくれたり、自家用車のお迎えがある場合には大した問題もなく帰路に着くことができます。その後は“時差ぼけ”の早い解消を祈るだけです。 しかし、単身で思いがけず大きな荷物を抱え込んだ人にとって、空港を出てから家庭までの帰路は苦痛の連続となります。 何しろ空港構内から地下鉄に乗り込むためのアプローチ、地下鉄や地下鉄を降りて新幹線搭乗までの多くの階段や長いアプローチは、比較的体力のある男性、それも健常者でさえもが荷物運びをするのには苦難の連続なのですから。 今回は、気軽な服装で旅行したこともあって非力といえども通常の体力がある私にはそれほど困難なことではありませんでしたが、女性、身体障害のある方、あるいはお年寄りにとっては大変な苦痛ではないでしょうか。いつも車を利用する私も単身で新幹線を利用してみて恥ずかしいことに、初めてこの社会の中での不都合さを実感しました。 そのような気持ちで私達の周囲を見回してみると、こんな状況は何も空港や駅に限らず、日常生活をしている街のいたるところに多く見受けられます。 最近、公共施設などでは「バリア・フリー」に配慮がされ始めましたが、全体的にはまだまだ私達の生活の中での身近な問題、今後の重要な課題として現存しています。 私達自身がいつ何時身体的なハンディ・キャップを抱え込むことになるかもしれないことや近い将来の高齢化社会の到来を考えると、ゆめゆめ無頓着では済まされないことだと思われます。 このような現実に対して私達はもっと目を見開いて、社会全体の問題として対処し改善すべきことだと考えます。 1996/06/23 |
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