1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
カナダ・アメリカ-4「微笑み」先日、出張先のとあるホテルに泊った翌朝、出勤しようとしたら、ドアの前で同じフロアーの泊り客と顔をあわせた。すると先方からごく自然に「おはようございます。」と言われて、こちらも「おはようございます。」という言葉が口から出てしまった。「他の街から来たセールス担当の人だろうか」と思ったが、何しろ後味が悪い筈がない。しばらくはさわやかな余韻が残っていた。 誰しもエレベーターに乗り込んだ時の気分は何となく嫌なところがある。同じ職場内では挨拶程度の簡単な会話はできるが、職場以外ではこれは難しい見知らぬ人達ばかりで挨拶はできない、行き詰まる何秒間である。 しかし、そんな場合にも「こんにちは」とか軽い会釈でもあればお互いに何となく気持ち良いのではないか。何も無理に造ることはないが………。 この度の旅行では、エレベーターばかりでなく、街角やビルの中、そしてレストランの中でも人と人が交錯し目を合わすときには必ず挨拶や会釈そして微笑みが見かけられたように思う。 そう言えば、以前デービス市に二、三日滞在した際にも、そんなことがあった。信号停止で待っていた向こう側から歩いてきた女性が、ニッコリと微笑んで「ハロー」と私に声をかけてくれたことがあった。 見知らぬ人であっても声をかけられれば嬉しい気持ちになるし、実にさわやかな印象を抱くものである。不思議なことに、そんな雰囲気にはすぐに同調できる。 私達の世代は喜怒哀楽を顔の表情に表わさないこと、とも教えられてきた。物事に動じない、一喜一憂せずに我慢することの大切さを言われてきたようにも思う。 しかし、身振り手振りや顔の表情が豊かな外国人から見ると、日本人は顔の表情を変えないので何を考えているか内面はサッパリ判らないといった印象を与えている。 特に、外国の人との接触の多いビジネスシーンではあまり好感を持たれていないようだ。 お陰で、最近の若い人達の間では豊かな表現スタイルを見につけている人が多く見られるようになっている。結構なことである。 私たちと異なる文化に育った人達との交流をすすめ、コミュニケーションを図るためにはその手段が工夫されなければならない。 そのためには言語ばかりでなく表情も重要なコミュニケーション手段であると思う。 日本を出て外国の人達と出会う度に痛感することである。 1996/06/17 |
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