1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
カナダ・アメリカ-2「匂い」福岡空港を出て、ある匂いで「ああ、そうだ。日本に帰ってきたんだ。」と実感した。空気や潮の匂い?それとも雑踏や人の匂い?いやいや、違う。煙草の煙の臭いである。愛煙家には分からないのだろうが、あの煙の臭いは大変強烈なのである。人の密集した雑踏や酒場での煙りは洋服に密着して困るほどだ。 愛煙家には「リラックス・タイム」を演出するあの“紫煙”も煙草を吸わない人には、刺激臭以外の何者でもない。かく言う私も実は一度も吸ったことがない。わが家に客があった時、ズボラナ私がまず忘れるのが灰皿でもある。 考えて見ると、海外では紫の煙りに悩まされることがなかったし、煙草の臭いにまったく気が付かなかった。多分、屋外では吸っている人も室内や閉鎖された空間では喫煙を我慢しているのだろう。「我慢している」というより「配慮している」という表現が適切かもしれない。そんなマナー(公衆道徳?)を心得ているところがいい。私達が見習うべき点の一つかもしれない。 日本の社会では今だもって喫煙には寛容のようで、公共の空間でも駅やホテルなどわずかな施設が「禁煙」を掲げている程度である。列車やバスの中では禁煙が徹底されていないように思うがどうだろうか。 先の日曜日、毎年恒例の高校の同期会でバス旅行に行った。幹事諸氏の工夫と努力のお陰で楽しい日帰旅行だった。ただ一つ残念だったのは、あの狭いバスの中が「禁煙」ではなかったことだ。(女性は煙草を吸わないと思い込んでいる訳ではないが)6割を占めた女性陣が何ら異を唱えなかったのも不思議だった。「バス内禁煙の採決を!」との私の動議に反応が無かったのは、喫煙をに慣れているのだろうか、それとも我慢していたのだろうか。 身の回りの私的空間では、「幼い子供達のために煙草はご遠慮ください。」などのメッセージを込めて禁煙を訴えている人もいるが、まだまだ少ない。「吸うな。」とは言わないが、自分の周囲に嫌煙家がいることを少しはわかって欲しいものだ。 友人に「自分の家でもあんなに吸うのかな?」と疑問に思って尋ねてみると、「いやぁ、家では家族の抗議にあって、窓を開けて外に出て吸わせて貰っているんだよ。」という答えが帰ってくる。多分、家族の健康を気にしているのだろう。優しいお父さんである。 でも、家の中では家族の健康を心配しているのなら、他の狭い空間内でも吸わないようにしたら、とも思うのだが、無理な相談だろうか。 禁断症状が出るほどに好きな煙草を止めてくれとは言わない。しかし、自分ばかりでなく家族や周囲の人間の健康のために、せめて「煙草を吸っても構いませんか?」程度の気配りをして欲しいものだ。 1996/06/04 |
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