1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
緑と花と彫刻のまち「1950年、宇部市は第二次大戦後の混乱と公害を克服し、緑豊かでうるおいのある街をつくるために、緑化事業に着手しました。即ち、街路や公園に樹や花を植え、健康で住みよい街づくりを進めようというものです。この事業はさまざまな困難をのりこえて、多くの市民や団体の共感と協力を得て、大きく成長しました。今、宇部の街路樹は10〜15m、ヤナギ・イチョウ・ポプラなど約8万本(市民2.2人に1本)、また公園面積は200ha(市民1人あたり約11m)に達しています。この市民ぐるみの緑と花の街づくり運動を承けて、1955年宇部市女性問題対策審議会は「自然(緑と花)と人間の接点として芸術を〜街に彫刻を置こう。」という提言を行いました。緑と花との対話を通して、命の尊さや自然の大切さを学んだように、自然や街の中に彫刻を置いて、芸術との対話を通して市民文化の高揚をはかろうというのです。……」とは、1988年に『彫刻マップ』制作にあたって故相原邦彦さんから寄稿いただいた名文です。新緑が眩いほどの土曜日、久し振りに街の中をゆっくりと歩いて見ました。 国道190号線と産業道路をつなぐ通りには、きれいな樹木が植えられていて、40年前からの宇部市の諸先輩のご努力がしっかりと定着しています。 これから夏に向かって街中が暑くなってくると、これらの緑の木々が強い日差しから私達の身体と気持ちを優しく守ってくれることでしょう。 でも、様々な建築物が並んでいる中を進むと、緑がある通りとそうでない通りでは私達の気持ちの安らぎが全く違うことに気付かされます。緑のある中を通っている時には、その美しさに魅惑されて歩くテンポや車のスピードが変わってくるとさえ思えます。 街に緑のある風景や緑に囲まれた彫刻のあるシーンは絵になりますが、無機質な建造物ばかりでは子供達は近寄らないばかりか、課題のスケッチでさえもしないでしょう。 果たして、最近の街路整備事業では“街路や公園に樹や花を植え、健康で住みよい街づくりを進めよう”という宇部市の当初の緑化事業の理念が生かされているのでしょうか?すこし忘れられかけているように思えます。 渡辺翁記念会館の周辺は、前庭をはじめとして街路整備などで大きく変わりつつあります。周辺の工事はまだまだ進行中ですが、是非、この全国に先駆けた理念を継続して緑豊かな街づくりを進めたいものです。 1996/05/12 |
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