1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
小さな挑戦2月3日、昨年の苦しさにも懲りず、今年も職場の駅伝大会で走った。とは言うもののタッタ2.4キロのショートコースである。前日、山口市内は大雪で「あわや中止か」という期待を抱いたのだが、無常にも当日は朝から快晴。文句なしの“駅伝日和”となってしまった。 昨年はゴール直後、真っ青になって芝生に倒れ込み、しばらくは声も出なかった。あの時は練習不足を悔やんだものだ。だから今年は「去年の倍の練習をして、本番では楽に走れるようにするぞ!」と固く心に決めていた。 年が明けて、トレーニングを毎週末に予定していた。しかし、好事魔多し、何やかやと走れないことが多く、日時ばかりが過ぎて行った。結局、練習したのは去年並みの4回で、延べ10キロしか走っていない。 友人に「河野さん、また走るんだって?」と冷やかされても、「ウン、小さな挑戦だよ」と意気がっていた。もっとも、自分としては、去年の苦しい体験とメンタルトレーニング(?)のお陰で、「完走できそうだぞ」という気持ちは持っていたのだが。 1月の後半から密かに「うん、今年は去年ほど苦しまなくても良さそうだぞ」と思い、次第次第に気持ちが高まって来ていたのだが、皮肉にも前日の大雪で途端に弱気になってしまった。職場の窓から外の雪を眺めながら、「出来ることなら、このまま中止になって走らないほうがいいなぁ」などと考えはじめた。こうなったら、もうオシマイである。生来の怠け心が頭をもたげて来た。おまけに天気予報までもが「今夜は大雪が降って、明朝は凍結」などと追い打ちをかけてくる。夜、寝る前には「天気予報通りにナーレ」と祈る始末だ。 大いなる期待をして当日の朝ゆっくり起きたら、アレ、予想に反して天気は最高にいい。中止の場合になる筈の電話もかかってこない。仕方なく身支度をしていたら、後ろから「無理はしないでね」と私の気持ちを見透かしたような女房の声。駄目押しである。 観念して「そうだ、今日も練習のつもりで走ればいいんだ」と自分に言い聞かせて、一路山口に向かう。予想外の展開で昼飯を食べることを忘れてしまっていることに途中気がついたが後の祭り。 午後1時半、第一走者がスタートして待つこと30分、私は第四走者として“小さな挑戦”に飛び出した。 リラックスしたお陰で完走できたのだが、またもや芝生に倒れ込んでしまった。そして去年と同様芝生に大の字になったが、不思議と青空を見上げる余裕があって、「完走できる限りは毎年走るかな」とも思った次第である。私の成績はまだ聞いていない。 1996/02/20 |
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