1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
共生する宇部のまち先日、友人たちと宇部のまちの福祉に関する勉強会を開催した。ご自身が障害者である方と家族に障害者(児)を持つ方をゲストにお招きして、宇部の福祉の現状や行政への要望などについて話し合った。 会議の内容は、本紙で詳述されているので省略するが、ゲストのお話しは、何よりも、普通の生活をしたい、させたい、というのが最も強くて共通の希望であった。現在のまちの中には、障害者向けに改善された施設機器とそうでないものが混在しており、これが普通の生活をしたいという希望の実現を妨げる大きな問題となっているとのことであった。 会議当日が「国際障害者の日」であることを知ったのが開催直前であったことが私自身の不明さを象徴しているが、この会議を通じて「他人ごとではない。過去か未来かは別にして、誰にもいつかは生じる問題である。」ということを認識し、自分のまちを見る目をさらに広げる必要のあることを痛感した次第である。 さて、会議を終えて私は、三つの課題があると、今感じている。以下、簡単に述べたい。 まず第一に、健常者自身が『弱者の目と心』を持つように努めることが大切である。そのためには、例えば「障害者疑似体験事業」などを行ってはどうだろうか、と思う。 次に、やはり行政の公平な対応が不可欠である。いまや地方自治体行政にとって、高齢者や障害者に対する取り組みは重要な課題である。 重要な課題に取り組むには、それなりの体制整備が必要である。例えば、国際交流には、外国語の理解できる担当者を配置しているし、彫刻の振興のためには学芸員を配置している。これと同様の配慮が必要ではなかろうか。障害者のことを考えたいという姿勢を持っている人、現場の障害者の声に耳を傾け聴ける人、障害者のことが理解できている職員の配置が望ましい。 また、市民に公共施設建設の情報が公開される時には、既に計画が決まっていることがよくあるが、施設を作った後ではなく、作る前に障害者の意見を聞くことが必要で大切なのである。 当面は、全職員に幅広い研修を継続しながら、市民には普及・啓発のためにのガイドブック、マニュアルづくりを実践して、福祉行政の制度改善やシステムづくりを着実に進めるべきである。 最後に、障害者同士が連帯して、声と力を吸合しなければならない。今後の抜本的な条件改善のためには、“声の出せる人を「代表者」として選ぶこと”が必要ではあるまいか。 当日、会議の休憩時間に「これまで、孤立していたが、同じ条件下にある方々の話しが聴けて、これからは相談しながら一緒に行動できる。」と、障害児を持つご両親からお話しを聞けたのは、この会議を提案した者にとって大変に嬉しいことであった。 1995/12/05 |
|