1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
まちの軸-2私たちトーク・ウベ21のメンバー数人は、ある調査のために、先日、郷土の歴史に大変に詳しい松本先生のご指導をいただいて、西岐波地区のタウンウォッチングを行った。コースは、床波漁港にはじまり、西光寺、その門前に連なる旧家の家並、旧制「錦波小学校」の跡地と石門、神仏混合の南方八幡宮、縁日でもないのに多数の参拝者のある北向地蔵、目下急ピッチで造成中の宇部新都市、そこから望める臨空頭脳パーク、市の指定天然記念物の巨大な木「もっこく」の繁っている本覚寺の旧境内、桜の時期には大変に奇麗であろう安楽寺を巡り、そして最後に最寄りの温泉で昼食と松本先生のご講義で締めくくった。 メンバーの大半は、市の中心部に住んでいるが、私のように長く西岐波地区の住民でさえも“見ず、知らず、行かず”の場所が大変に多いことに今さらながら考えこんでしまった。 梶取(かんどり)、浦安、鍋屋、向坂、殿居、馬場、鯨、…………。ユニークで懐かしい地名がなんと多いこと。その場所の地勢、歴史、環境が目をつぶっていても浮かんでくる様である。 県内の他市では、ある時一斉に従来の地番を、千代田、大手、新宿などのハイカラな(?)地名に変えてしまったところもあるが、西岐波の土地柄が表われている固有の地名を是非とも残して欲しいと思う。 また、上の原の北東部の田んぼの間の小道には、播磨の僧が地元の方々と一緒になって築いたという「石橋とその道標」が生い茂る雑草の中にポツンと立ちすくんでいた。 このような例は、郷土の歴史に詳しい方々には常識程度のことかもしれないが、素人の我々には驚きに近い発見の連続であった。 たった3時間のタウンウォッチングであったが、これらの「名所・旧跡」の大半がいづれも自家用車では入りにくい場所になってしまったり、メインストリートからひどく離れてしまっているのに気がついた。これも長い間の基盤整備の結果、「まちの軸」が変わってしまい、私たちの生活圏から疎遠になったためであろう。 ところで、これらの「名所・旧跡」付近に案内版がまったく無いことにも気が付いた。故郷の学習のみならず、他の地域から訪れる人のためにも、市の文化財や名所・旧跡に関する「マップ」や「案内版」は、最低限必要との印象を抱いた次第である。 今回のタウンウォッチングは、他の理由があってのことだったが、「宇部のまちづくり」の提案活動をしている私たちにとって、考えさせられる体験であった。 地域の発展のためには、「外を見て学ぶ」ことも重要だが、一方では、まず「ふるい内をたずねて知る」ことも大事なことであろう。 1995/11/21 |
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