1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
まち、ひと、こと私は「まちづくりの基本はひとである」と思っている。評判になるまちづくりには、必ずユニークな「こと」があり、その「こと起こし」の中に「人」がいるからである。多様で魅力的な人が住んでいてこそ「まち」が楽しくなる。“魅力ある人”とは、社会的な地位の高い人や収入の多い人を指しているのではない。「どんな職業か、どこに勤めているか、いくら収入があるか?」ではなくて、「どんな行き方をしているか?」が問題なのだと思う。さらに欲を言えば、“魅力ある人”とは、真剣に「まちづくり」を考え、そのためのささやかな実践をする人であって欲しい。少し話しが横に逸れたが、要するに、色々な職業の人が集まることが宇部のまちづくりにとって必要と思う。そのための就業の場が必要だし、そんな人達が気軽に集まれる「場」も欲しい。そんな矢先、先週あい前後して発表された大学や公設の試験場に関する“朗報”に出くわした。 「(山口大学)工学部に感性デザイン工学科、医学部に医療環境学講座」と「(山口県工業技術センターが)現施設の3倍規模に(拡充)」という記事である。いづれも、今までに宇部に無かった施設、学科が新設されることになる。そして今まで宇部に勤務していなかった職種の方々が移転してくることになるだろう。ハードの整備とともにソフトがさらに充実することとなり、活力のある地域づくりにとっては大歓迎である。 さて、山口大学のニュースは、詳しい内容は分からないが、工学部に感性デザイン工学科、医学部に医療環境学講座が設置されるとのこと。特に、5年振りの設置となる工学部の新学科は、感性基礎学、ヒューマン・インターフェイス、空間デザインの三講座からなり、バーチャル・リアリティー技術の開発にも取り組む、とある。ユニークな学科、教官を求めてこれまたユニークな学生たちが集まってくれることを期待したい。 一方、工業技術センターは、西岐波の宇部新都市に15,000㎡の規模で事業費約60億円をかけて、県下唯一の工業技術支援公設機関として再編整備される。この新センターは、①総合的技術支援拠点、②開かれたセンター、③技術情報拠点、④人と技術の交流拠点がコンセプトだとか。特に注目したいのは、“人と技術の交流拠点”として、山口大学工学部、医学部、地域共同研究開発センター、山口東京理科大学、宇部高等専門学校、超高温材料研究センター、メカトロ技術センターなど技術関係機関の入居スペースが確保されている点である。これが効果を発揮して、是非とも、県下ばかりでなく国内外有数の研究者が宇部に集う「学の拠点」になって欲しいものである。 「ひと」が集まって「こと」が始まり、「こと」が群発して「まちづくり」が進展する。この契機となるプロジェクトが宇部で始まろうとしている。キチンとした「まちづくりのグランド・デザイン」を持って、この千載一遇のチャンスを活かさなければならないのだろう。 1995/09/18 |
|