1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
講師の役得先日、小野地区の「まちづくり学級」で90分間の話しをした後のことである。「質問があります」ときた。「さあ、きたぞ」と思った。いつも私がトーク・ウベ21の活動に関する話しをすると、決まって異論、反論や提案が出る。「トーク・ウベ21の取り上げている野外彫刻は一般市民には理解が出来ないものだ。そんなモノに何百万、何千万円もの大金を市が出すのは納得できない。そんな金があれば、もっと役にたつ事業に使って貰いたい。」「宇部の野外彫刻の大半が抽象彫刻である。市民には分かりにくい。もっと具象彫刻が増やせないものか。」「“緑と花と彫刻のまち”というキャッチフレーズであるが、彫刻が設置してあるのは中心部と常盤公園だけだ。周辺部、郊外地区にも設置すべきではないか。」さらに面白くて印象に残っているのは「JRの宇部駅のプラットホームに彫刻を設置してはどうか。」という意見が出たこともあった。 私は、いつもこのような異論を尊重する。そして「もっともな提案だと思います。是非、あなたが中心になって、具体的な提案活動をされてはどうでしょうか。」と答えることとしている。私たちが7年前に「批判をするだけではなくて具体的な行動を通じて提案しよう。」と話し合ってトーク・ウベ21としての活動を始めたように、市民の皆さんにも同様な活動、それも建設的で具体的な提案活動をしていただきたいと考えているからである。 行政(官)と市民(民)にはそれぞれ異なる役割がある。行政のリードに市民が協力、参加し、市民の要望や提案を行政が汲み上げ実行する。いづれが欠けても“歯車”が回転せずに、地域の活力は低迷する。 そんなことを考えながら質問を聞いてみると、予想とは違って「彫刻マップはどこに配付したのか。作成費用はいくらだったのか。」などと積極的な質問ばかりであった。「ああ、この人たちは随分とやる気になってるなぁ。」と感じられた。身構えていた自分の気持ちがスッと楽になった。 この「まちづくり学級」は、青年たちが中心になって、ふるさとの歴史、文化と自然を生かし、お互いのふれあいの中から“郷土を生かした地域づくり”を図ろうという勉強会であるが、この中で「地区のマップ」を作ってみようということになったらしい。「彫刻マップを作っているトーク・ウベ21に聞いてみよう。」となったとのこと。講師の要請があった時、私は即座に快諾した。理由は、前述のとおり、私たちと同様に市民の皆さんにもまちづくりに関して、建設的で具体的な提案活動をしていただきたいと考えているからである。多くの活発な運動が展開されることがまず必要なのである。 予定の時間を少々オーバーしてしまい、公民館の方には遅くまでご迷惑をかけたが、久し振りに勤めた講師役で、若い人たちの前向きの姿勢に接して、こちらまでが清々しい気分になれた。 「今回のような講師役は悪くないなぁ。」と真夏の夜にしてはスッキリとした気分で帰路についた。 1995/08/29 |
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