1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
メルトダウン今回の統一地方選挙結果は、古い宇部地域にとっては画期的なことだったが、全国的にも大変な変化が起きている。今までの政治的な枠組みや常識、ルールといったものが音をたてて崩壊する、メルトダウンしている状態といえる。今回の地方選挙で成功した事例の多くは、地道な活動を実行した陣営が最も強かった。もはや「行政へのお願い」はやめよう、「非難や追及」もやめよう、ということがこれまでと違った有権者の意志として表われた。「〜がやってくれるだろう。」という期待はもうしないほうがいい。地域のことは地域の者がやっていくことだ。“民族自決”ならぬ“地域自決”が必要である。好例として、イギリスのグランド・ワークがある。ここでは、市民が中心になって企業とともに地域経営を担っている。この原因は、行政がハッキリと「お金がない」ことを率直に表明したために、住民が自ら地域の経営を実践しているからだ。行政がやる部分が次第に減少して、知恵が導入されこのため自治が進んでいる。 これから宇部市民は“クリエイティブな議員や市長”を育てるべきである。適材としては、経営者感覚を持った人がいい。行政の中で育った人、上級官庁との関係に慣れ切っている人は駄目だ。下から上がってくる書類で仕事をしている行政であれば、誰が市長になっても変わらない。そこを歩いている“おじさん”が市長になっても行政は動く。今の地域経営には、“書記、労務型”ではなく、“プランナー、コーディネーター型”が必要となっている。クリエイティブで企画的な業務のできる人間が必要なのである。威張る人はダメ。これが見分ける方法である。また、現在の議員や市長がどんな仕事をしているか、その一日を追っかけて見ればどうか。いかに下らない仕事をしているか分かるはずである。 今後、まちを変えていくために、当選した議員ではなく選挙を支えた人達が結びあって、インスパイアし合うことが重要である。そして、住民が自ら政策形成に参加すべきである。そして、このネットワークの中から複数の議員を出していくことを考えていくことである。この方法だけが「期待ギャップ」を克服できる唯一の現実的な方法だ。 そのためには、今後、自分たちが政策を作って提案して、議員や行政の役割、市民の役割を作り上げていくべきだ。市民が学者や経営者の参加を求めて「宇部市のマスター・プランづくり」に取り組み、地域経営に参画していくべきだ。このようにして、現在は少ないが、本当に地域の将来を考えていく議員を育てるべきである。そして、皆さんが“自分のライフワーク”としてこのことに真剣に取り組んでほしい。共鳴して協力する人も出てくるはずである。自分もその一人だから。 宇部がそのような都市に変わって行かなければ、都市間競争が激化する中で、魅力のない、面白くない都市からは気の利いた人種が早く出て行ってしまうだろう。 以上が、先の土曜日に友人が講演した内容であるが、それにしても、なぜ、参加者が少ないのか?という疑問が頭から離れない。 1995/06/20 |
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