1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「友人について」その2数多い友人の中には、20年間も音信不通であったものが最近とみに会う回数が増えた者もいる。仕事が縁で復活したものだから、始めはどうしても仕事に関する話しが多くなりがちであるが、フッとしたことから一端昔話になると止めどなく愉快な話しになってしまい、二、三度会っているうちに、これ又20年前のお互いに戻ってしまった。 その友人とは小学、中学、高校と一緒であった。中学時代は同じクラスにはならなかったが、どういう訳か妙に気が合っていた。高校も選択科目の相違で1、2年は別々であったが3年のとき初めて同じクラスになった。 仲間で彼を生徒会長選に担ぎ出したのがコトの始まり。若気のいたりで乗った、というのが最も適切な表現であろうか。ナンと私が応援演説をやった彼が当選してしまったのである。以来、この事件が彼とのエピソードでは最大のハイライトとなった次第である。彼が当選したのは何も私の応援弁士振りが優れていたのではなく、中学時代から演劇部で鍛えていた(?)彼の度胸の良さと聴衆を魅了するハッタリが要因なのである。 「三つ子の魂百までも」とは良く言ったもので、彼は大学に進んでも演劇をやっていたらしく、生来の素質、天賦の才能を磨きに磨いて、現在は国内で有数の広告代理店で第一線の部長として頑張っている。彼を前にして聴いていると全て納得してしまうのは、何も私が彼を信頼していることが原因でも、話しの内容の素晴しさばかりではないようだ。多分、彼はクライアントに対するプレゼンテーションになると、昔とったキネヅカ(?)で並み居る審査員を呆気にとるような素晴しいハッタリ(失礼!)を披露しているのであろう。小学時代からその素質に接している私には、今さらながら彼の商売が本当に天分のように思えるのである。 一方、いつも会っている友人であれば、お互いの変化には余り気付かないことが多いものであるが、長い間会わずに、それも最後に会ったのが学生時代であるから、社会に出てからの20年間を飛び越して久し振りに会うと、お互いの変わりように驚きを感じざるを得ないものがある。あれほど、C調な性格でどんな苦しい環境や世の中でもスイスイとうまく泳いで行くようなタイプだった彼も、心の定位置に故郷や両親のことをしっかりと据えているようである。酒を飲み交している時にフッと出る彼のそんな気持ちを垣間見る時には、目頭がジーンと熱くなる。 自分の子供や両親の生きているこの故郷のことを想っているのは私達ばかりではない。たとえ故郷を離れていても、いや、離れているからこそ一層強く心配し想っている友人達も多いのである。 今の宇部のために、そんな友人達と何か一緒に力を合わせることが出来ないものであろうか。そして、あのときの連中と、もう一度一緒に遊んだり騒いだりしてみたら楽しいだろうに、と想うのは私がそれだけ歳を重ねてきた証拠なのであろうか。 1995/03/07 |
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