1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
まちづくりと市民参加-2「トーク・ウベ21の活動はまちづくりゴッコの感がある」という発言があった。昨年の「公民館運営審議委員研修会」での私の講義後に出た意見である。流石にこの発言を聞いたときには少し腹が立ったが、今考えて見れば彼の氏の発言は、的を得ていたのかもしれない。と言うのは、この7年間、私達は様々な具体的な提案活動を行って来たが、これまで正面切って行政の事業等に反映されたものは数少ないからである。何らかの形で市役所等の事業に活かされた(?)ものを思いつくままに挙げてみると、まず「彫刻マップ」とスタイルを同様にした「彫刻散歩道」が市サイドで作られたこと。次いで、真締川の整備構想の中に彫刻を活用・設置した橋やリバーフロント整備が考えられていること。また、少し古くなるが原画で制作を提案した「カッタ君のシンボルマーク」が観光キャンペーンに採用されたこと。最後に、地域振興整備公団に依頼された「宇部新都市構想」PR用リーフレットのために作成した模型が活用されていること、等である。「市民グループの提案がこれ程まで行政に利用されているのは珍しい」という意見があるかもしれない。しかし、これらはいづれも私達の提案の一部分が引用されただけであり、必ずしも提案等の真意が汲み取られ、中味が活かされたとは言えず、本来の「市民参加」と呼べるものではあるまい。読者の中にも、このような体験や印象を持っておられる方々は多いものと思う。 ところで、今や日常語となっている「市民参加」には二通りある。最初の「市民参加」は、市が主宰する各種の審議会や委員会委員への就任である。この参加は、率直な意見や提案が採用されることがなかなか難しいのが実情である。筋書が決められているような会議であれば、なおさらのことである。次の「市民参加」には、住民監査請求や直接請求権の行使がある。しかし、一昨年の小野湖周辺のゴルフ場開発に端を発した市長リコール問題がそうであったように、結果に対する「参加」でしかなく、私達市民が自治体の政策決定の場に参加したり行政の核心に到達することができず、周辺を堂々巡りすることに終わる可能性が強いのである。つまりこれら法的な住民参加の特徴をいえば、そこには自治体に政策を変更させることを含めて、市民の「自らのまちづくりに対する政策決定力」は甚だしく弱いことがわかる。 もともと「住民参加」とは、自治体行政を住民に身近なものにするために創られた制度である。「自らのまちづくりに対する政策決定」を実践すべき最も重要な機構は他にある。それが市議会であり、市議会こそが「市民参加」を実現できる普遍的な組織・機構である。定数36名の議員を通じて、宇部市民の多様な声が反映されていれば問題はなく、なにも私達は「市民参加」を声高に唱えることは不要なのである。 では、いま市議会の現状はどうなのか。 私達は、来るべき統一地方選に向けて考えてみなければならないのだろう。 1995/02/20 |
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