1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
まちづくりと市民参加-12月10日の本欄で「地味だが着実なアイデア集団である」と、執筆者の末広先生から取り上げていただいた私達のグループ『トーク・ウベ21』がスタートして早7年になろうとしている。竹下政権下の「ふるさと創生事業」のスタートと共に、全国津々浦々で「村おこし・まちづくり」がブームとなった時期だった。ちょうど不惑の年を迎え、自分達の人生の折り返しに差し掛かっていた頃、小学校を終えた自分達の子供が受験勉強や友人関係でボチボチ社会の荒波をかぶる前兆が見え始めた頃でもあった。そんな折、フッと自分達が住み、子供達が育っていくこの宇部という地域社会の現在と将来に目を向けたのが始まりであった。当初のグループは「異業種交流会」であったが、広い宇部について少々学んで「野外彫刻」に着目してから、私達の活動が加速化したように思う。断わっておかねばならないが、私達は過去も今も「彫刻を愛するグループ」ではない。当初から、単なる「まちづくりの勉強グループ」に過ぎなかったのである。ただ、私達のまち宇部の形成過程を語り、宇部のまちづくりの理念と戦略を語る時に、「炭鉱」や「公害問題」を忘れることが出来ないのと同様に「緑化運動」や「野外彫刻展」を無視することが出来ないと確信しているだけである。それほどまでに「野外彫刻」が宇部のまちづくりに深い影響を与えてきた大変重要な資産であることを市民の皆さんに理解していただきたかったのである。そして「彫刻スケールのまちづくり」これが私達グループの理念であり、提案である。全国、いや世界中の何処にも、これ程の高い評価を得た優れた彫刻作品が数多く設置されているまちは存在しないこと、この事実を大切にすべきであることを訴えてきたつもりである。 約7年間の活動で一貫した私達のスタンス(取り組み姿勢)は、「まちづくりへの市民参加」である。市民の皆さんに対する提案のスタイルをとっているが、間接的には行政に対する提案にもなっており、それなりの効果もあったと自負している。宇部におけるまちづくりグループのパイロットとしての役割を果たしたこと、「彫刻マップ」等の制作を通じた具体的な提案活動、そして「野外彫刻」に関する賛否の議論を誘発したこと等はある程度の評価をいただいたものと思っている。 また、澄川喜一、向井良吉、大高正人、大東和人、松浦弘子先生をはじめとする内外の専門家の方々のご支援やご協力、そして上田芳江、山崎盛司、既に逝去された川元公正や相原邦彦、さらに縄田健次、川元明春、佐藤典司さんなどの宇部の先輩や後輩の方々の熱いご協力も忘れられない。加えて商工会議所、建築士会、信用金庫等の各種団体の暖かいご支援も有難かった。これらの多くの友人や団体のご協力が無ければ私達の7年間の活動は継続していなかったものと想い、本当に感謝している。 一方、「市民参加」を標傍した7年間の活動を通じて得た最も大きな成果(?)は、皮肉にも、実は「市民参加」という言葉にも限界があるという現実を学んだことである。 1995/02/13 |
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