1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
震災に思う-その2「いつまでもあると思うな親と金」とは、昔からよく聞かされた言葉である。しかし、率直に言って、一昨年来の米不足や水不足が生じるまで、自然の恵みに何の疑問も抱いていなかった。「水、食料の次は空気だ。大事にしなければ」と、考えている矢先に起こったのがこの度の「阪神大震災」だ。今度こそ、自然の力の大きさの前に私達が余りにも無力であったことを謙虚に認めざるを得ない。さて、2週間たった現在、各地から多くの善意や勇気ある行動、そして様々な援助物資が届いている。現地でのボランティアの活躍を見るにつけ、私達の地域の中でも、日常的に各種のボランティアを本当に評価し、支援し、育成できる土壌づくりが必要だと痛感している。自ら行動できないとすれば、せめて彼等の活動を出来る限り支援し、彼等が活動し易い環境条件をつくりださなくてはと思う。 援助物資の中で「なる程!」と感心したのは、放置自転車の活用である。わが家でも延べ3度も盗まれたことがあるが、今、私達の周囲には、信じられないほどの自転車が所構わず放置されている。警察の管理だとか何とか、煩いことを言わずに、ドンドン被災地に送って欲しいものである。 また、今朝の新聞では下関商工会議所青年部の「ふぐ鍋炊き出し」が報道されていた。この種の対応では身体を動かすことよりも金を差し出すことが日本人の特徴である、と何かに書いてあったが、おそらく3、4日を費やして下関・神戸間を往復されるのであろう、果敢に実行される若い経営者の行動には、本当に頭が下がる想いである。 私は個人的には、復旧に取り組む企業の行動に期待している。日本企業の復旧への素早い対応には目を見張るものがある。当然のことながら、まずは自社の復旧であるが、このような緊急事態の下で、災害物資の提供に始まり、炊き出し、ボランティアの派遣などを実行される企業には感動する。このような行動を実践できる感性の優れたトップをその社員は誇りに思うことであろう。これこそ典型的な「企業の社会貢献」といえる。 思えば、今度の災害でわが家の日常生活をもう一度考え直してみる切掛けにもなった。古き良き時代の「しちりん」や「かまど」を大事にしなくてはいけない、ガスや温水に頼りきってはいけない等などと、決して裕福ではないが、随分と恵まれた環境で暮らせることに感謝をし、また反省もした次第である。人間、恵まれていてもそれが慣れてしまえば判らなくなる。この度の「阪神大震災」のような天変地異が他人ごとではなく、自分達にも降り掛かるものだということを私達自身がもう一度、ここで考えておかなければならないのだろう。 約20年前、学生を終えて東京を離れる際、「地震が起きたら、山口に来いよ」と友人に言ったのを想い出した。友人は、この言葉を覚えているはずも無いが、久しぶりに手紙にそのことを書いてみようかと思う。その友人は現在、川崎のマンションに住んでいる。 1995/01/30 |
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