1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
震災に思う「兵庫県南部地震」の犠牲者の方々に心から哀悼の意を表したい。地震予知の難しさ、活断層の存在、直下型地震の怖さに始まり、国、県、市の初期対応の遅れなど、我々は数多くの「教訓と課題」を学んだようだ。 しかし、この度の大災害は「教訓と課題」というには余りにも数多くの犠牲者を出してしまった。この欄の執筆者に専門家の三浦さんがいらっしゃるので、後日、お話しが伺えるものと思うが、素人の私でさえ合点のいかないことが幾つかあった。 まず、テレビ報道の映像に、ヘリコプターの姿があまり見えないことに奇異さを感じた。陸路が遮断されている状態では当然のことながら空輸が考えられるのではないかと想像していたが、私の目にはヘリコプターの活動がほとんど入ってこなかった。 次に、自衛隊などによる消火活動があまり映らなかったことである。(好ましいことではないが)このような状況に慣れている筈の自衛隊の姿が余り見えなかったことが気になった。瓦礫の下に埋もれているかもしれない行方不明者の人命救助が優先されたためであろうか。 また、いづれも初期対策に入るのであろうが、道路が車で渋滞して塞がれているのも心配であった。このような状況下では道路規制、そして情報管理は危機管理の基本ではないかと、素人なりに思ったものだ。 被災者の方々が口々に「着るモノと食べるモノの不足」を言っておられたが、これからは衣食住に関する問題が加速度的に解消されることを祈っている。 それにしても、いつものことながら行政側の対応には「今、何が最も重要で、急がれているか?」との視点が欠けた慎重審議ばかりが目につき、イライラとした。「この人達の感覚には、何かが欠けているのではないか」とさえ思えてくることが度々あった。 現場とスタジオを結んだあるテレビ中継番組で、関係閣僚が背広を着てテレビ会議に臨み、被災者の感情を逆なでするような冗漫な答弁を繰り返していた。それを視て、甚だしく違和感や反発を感じたのは私ばかりではなかったろう。そのテレビを見ていた被災者から「皮膚感覚で考えて行動してくれ」との厳しい声が出たのも頷ける。被災者の心情から見れば、初めて災害担当大臣を設置したのであれば、現地駐在しても不思議ではないのではなかろうか。行政側の行動に度重なる不信を抱き、情報不足を唱えている現地の方々にとって、現地での陣頭指揮が必要な事態であるとも思えるのだが。 これに先立って、村山首相が現地を見舞った後で、被災者からは「ご苦労さん、とは誰でも言える。何とかしてくれなきゃ、(首相が見舞う)意味が無い。」との発言があったことが被災者の切羽詰まった心境を端的に表現していた。 私達自身、日常生活を考え直してみるには余りにも大きな代償をこの度の大災害で払っているように思える。 1995/01/23 |
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