1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
統合から融合へ地域一体化について再考したい。NAFTA(北米自由貿易協定)やEU(欧州連合)の動向、中東や東欧の状況など、今世界は、まさに“ボーダレスの時代”そして“新たなパラダイムを模索する世紀”へと突入しつつある、変革期の様相を呈している。一方、このような中での人口30万人規模を想定した「合併論議」は、些か次元の違う話しとも思われようが、当面の地域の課題ということで、もう少し考えて見たい。 「山口との合併、小郡町民の意識調査、反対45%賛成37%。(12月28日山口新聞)」「周南合併、8市長村長が初会合。(1月3日山口新聞)」など、最近、紙面を「合併」に関する記事が賑わしている。 「合併」に関する市民の反応には、大きくは二つ、細かくは三つの意見があるようだ。賛成の意見としては、既に地域は社会的、経済的に一体化しているから、合併を進めることが地域の将来にとっては有益であるという意見。次に反対の意見としては、今のままでも十分に発展できるので、行政水準の高い地域が損をするような合併にはメリットが無いという意見。最後にこれらの中間的な意見として、合併は長期的な課題であるから、当面は広域連携を積極的に進めるべきであるという意見である。 私は、近年、各種のインフラや交通体系の再編整備が進んでいる地方にあっては、既にある意味では「一体化」は相当に進んでいると思っている。一方、現行の行財政機構上の効率化の観点からしても、現在の小さな規模の市町村がある程度の大きなブロック単位を形成することは必然であろうし、市町村が広域圏化する一方で、県も広域化して“道州制”へ移行していくことも必要では、と考えている。「呑舟の魚は支流に泳がず。」このような流れの中で「地方分権」の受け皿も整っていくのではないだろうか。また、以前この欄で触れたが、地域の一体化を促進する上では、「交流」「ネットワーク」「連携」と、なんでもいい一つの自治体の境界を越えた様々の分野、レベルでの“ゴッタニ”が必要である。この過程を経た次に、他から与えられるのではなく、自ら判断し決定する「自主性のある選択」が発生することが期待できる。私達の地域もこのようなステップを試みることが必要に思える。 したがって、行政が「一体化のための手続き」を先導的に進めることには基本的には賛成である。ただし、その前提としては、まず行政として、市民に判りやすく整理された情報を提供していく姿勢、次には市民の判断を求める際に抽象論ではなく具体的、明快な形でのメリット、ディメリットの説明、そしてこれらを揃えた上での市民との十分な話し合いの実行、が必須であろうと思われる。 「統合」には上下関係や強弱関係のイメージが、「融合」には対等関係や共生関係のイメージが浮かぶ。今、宇部小野田広域圏の一体化にとって必要なのは、「統合」ではなく、「融合」であり、そのために何が必要なのか、私達市民も考えなければならない。 1995/01/09 |
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