1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「商店街について」その6先日、『下関都市景観シンポジウム』に参加しました。まちづくりに対する情熱の強さ、行政ばかりでなく市民、企業、団体の力を結集しようと努力している下関の皆さんの姿勢などに感銘を受けましたので、「商店街」にも多いに関連があると思い、この欄で簡単に述べます。まず、全体的な感想としては、午後1時から1時間30分間の「唐戸周辺のウォッチング」から夜6時に再開されたシンポジウムにいたる流れ、セッティングの巧みさでした。主催の市役所と商工会議所、下関21世紀協会、デザイン協会、建築士会下関支部、中小企業経営者協会、観光協会、法人会など市内の数多くの団体が協力した実行委員会方式も奏功でした。また、下関を熟知した見識と街造りに対する真摯な姿勢に満ちた司会進行役が大変に印象的でした。さらに、今年で第三回のシンポジウムを継続している下関市民の熱心さと発言内容のレベルの高さ、そしてウィークデイの夜というのに250名を超える参加者の多さでした。概してこの種の会合では、発言が一部の人に集中しがちですが、幅広い意見が出て、市民の誠実な積極さが伝わってきました。さらに、皆さんの発言が自主的で、行政への過度の期待が少なかった点も述べておくべきでしょう。 特に、この欄で紹介したいのは、パネラーの一人、藤城さんのまちづくりに対する姿勢です。多分彼は、青年会議所理事長、商工会議所青年部会長を務め、下関のまちづくり行動集団である「財団法人下関21世紀協会」の設立に中心的に関わられ、この理事長を務めたあと、現在は赤間本通商店街振興組合代表理事を務めておられるのだと想像します。ここで私が紹介したいのは、彼の略歴ではなく、自分が住み心から愛している商店街や下関のまちづくりに貴重な時間を注いだおられる彼の真摯な姿勢です。とかくこの様な役回りは自分の時間を大変に制約しますし、うまくいって当り前、労多くして益少なしという損な役回りもあるように思います。しかし、多分年齢は50才を超えているですが、彼はまちづくりに対して積極的に関わり続けるという姿勢を貫き通されています。また、彼の発言に逆に後輩の私たちが元気を与えられる程の若々しい情熱がありました。「唐戸商店街は近く建て替えの時期を迎える。その時にはアーケードなしで耐えられる建物を作りたい。自分たちの時代でこの商店街が変わるとは期待していない。しかし、子供の時代には、オヤジ達は頑張ってくれたんだなあ、と評価される商店街を作りたい。キット評価してくれるだろう。」と何度も周囲に投げかける彼の姿勢には頭の下がる思いがしました。 50年や100年が必要だろうと考えられる「まち(都市)づくり」には、行政と市民、そして企業が力を併せても私たち一代の力だけではどうしようもない困難な現実もあります。だからこそ彼のような情熱と行動が必要であると確信します。彼の情熱と行動は宇部に住んでいる私たちにとっても多くの示唆を与えてくれ、励みになるものと思いご紹介した次第です。 1994/10/16 |
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