1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「商店街について」その5先週の冬至夏至が掲載された直後、自宅に「東岐波の匿名の方」から電話で苦言が呈せられました。いわく「商店街の実情に不勉強も甚だしい」「今頃になって、こんなことを言うのは笑われる」「実際に金を使ってみろ」などと、かなり一方的なお話しだったらしい。挙げ句の果てに、不在の私の代わって応対した家内に「旦那の職業は、学歴は?」と叱責口調だったとのこと。この「商店街について」を書こうと思った時から、読者の皆さんからのある程度の批判や反発は予想していました。夜や週末にしか自宅にいない自分が宇部の商店街の実態を把握しているわけではないからです。が、敢て宇部の商店街が魅力不足だと言うからには、まさにオータナティブ(代替案)を出すことが義務であるとの気持からでした。しかし、このような形の反応は全く予想していませんでした。「東岐波の匿名さん」、今度は熱心な市民としてのあなたのオータナティブ(代替案)を、そしてお名前もお聞かせください。さて、本題に戻りましょう。現在市内の商店街が抱えている様々な問題は、商店街や個店のみの努力では解決できない問題ばかりだと思えます。特にハード面では、アーケードへの多大な投資による償還問題など、基盤整備や資金融資の問題には理想どおりには運ばない現実の状況があります。しかし、後ろ向きのことばかり考えても物事は改善しないでしょう。発想の転換や工夫次第では出来そうなことがらを敢て述べてみたいと思います。 ハード面では、まず「駐車場があれば客が増える」という意見があります。果たしてそうでしょうか?駐車場が揃っていなくても買い物客が多い街は珍しくありません。駐車場は利便施設であり、目的は買い物であって、駐車場は手段です。個店に買い物の魅力や満足感があれば街を訪れるという人は多いはずです。 そして「空き店舗」対策としては、商業版企業誘致の発想が必要ではないでしょうか? 大都市近隣の商店街の場合には、食品スーパーが絶対に必要であると言われています。その点、新天町のアーケード街には「食べ物屋さん」が少ないように感じますが気のせいでしょうか。他からの誘致が困難とすれば、実験的に共同で「比較的に設備投資の少ない食べ物屋さん事業」を行ってみてはどうでしょうか。当面、空いている店が活用できれば、「空き店舗」対策にもなりますが。誘致や新規店舗の開拓が不可能とすれば、「空き店舗」を商業に無関係の個人や団体に貸せないものでしょうか。既投資分の償還は所有者負担でしょうが、新たな多様な人々の出入りで街に賑わいを創出し、交流の場や活力を創り出すという発想は無理なのでしょうか。 ハード面での最後の気付きとしては、舗道やアーケードの「清潔な感じ」についてです。「街歩きの楽しみ」が味わえるような「賑わい」や「たまり場」を演出して「猥雑さ」や「界隈性」や「回遊性」を持たせることも必要ではないでしょうか。 一方、ソフト面では、何と言っても人と人とのコミュニケーションが商業の原点ではないでしょうか。新鮮な品揃えの工夫、楽しい心のこもった子供向けのイベントの数々、イメージアップ作戦の実行、大型店とは一味も二味も違ったサービスなどなど、お客とのコミュニケーションが生命だと思えます。 実行すればたちまち状況が好転するというような特効薬や抜本的な対策はないのでしょう。そんなことは承知の上で、敢て私の接している経営者の方々の色々な工夫やアイデアを紹介してみました。 「街づくりは人づくり、人づくりが街づくり」この言葉を信じて、息長く続けることしか展望は拓けないのでしょう。次回は「子供の時代になったら親父に感謝してくれることを楽しみに自分達の商店街の再興に頑張っている」と地元商店街のために率先垂範されている方々の紹介をしたいと思います。 1994/10/10 |
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