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「商店街について」その2先に市内の商店街でスタートした「スタンプ作戦」は効果が挙がっているのでしょうか?いいものが安ければそれに越したことはありませんが、私は、その店が安いものを売っていることよりも、むしろその店の個性や特徴、商品の品揃えの方に関心があります。私的ですが、具体的な例をあげてみましょう。 以前、紳士洋服を買う場合に特定していた市内の店がありました。他の店に比べると少し値段が高いという印象がありましたし、地方の店でよく見られるように、「色や柄のバリエーションが少ない」、「色や柄はあってもサイズが揃わない」という欠点もありました。でも、我慢できました。自分好みのトラッド風の商品を揃えている店が市内に存在していることが私にとっては魅力だったのです。しかし、いつか私の脚が遠退きました。理由は、イタリアン・ファッションの流行りと共に、以前から揃えられていたトラッド風の商品がその店から姿を消したからです。何処の店に行っても一様にイタリアン・ファッションばかりならば、特にその店に行く必要はない訳です。それ以来、宇部では自分の気に入る商品を探す気持ちは無くなり、出張の折に東京で買うという以前のパターンに復帰しました。 次に、時々ブラリと寄ってみる個人輸入の店があります。友人へのチョットした贈り物を探す時に出掛けます。「あの店には、こんな商品があるのじゃないかな?」と考えていくのです。想像した品物がなくても、それに近い商品が揃えてあります。タマに買うもの、それも他人へのプレゼントであれば、少々の妥協も出来るのかもしれませんが、自分の好みと合う店が市内にあるのは嬉しいことです。 また、家族や友人と食事をする時もこだわります。経営者や料理人、そして味も変わらないのに改装した途端に脚が遠退いた店もあります。改装前の店が持っていた雰囲気が新しい店では感じられなくなった時でした。そのお店の商品や食事の代金の高さを他の店と比較する訳ではありません。こんな性向は、妙に物事に拘泥するという私達の世代に共通のモノかもしれません。 以前、私達消費者は「安さ(Cheap)」、「近くて便利(Convienient)」を重要視していたように思えます。今でもそうでしょうか?だとすれば、なぜ、これほどまでにコンビニが増加しているのでしょうか?実は、生活の質的な向上や消費者意識の変化に伴って、「近くて便利(Convienient)」が優先され、さらに「快適さ(Comfortable)」が求められるようになってきたからではないでしょうか?以上三つのCの中でも「安さ(CheapP)」の序列は後退しているのではないでしょうか? 「そんな風変わりな少数の人種は相手にしない。一般大衆を相手にするんだ。」と言われるのであれば、どうぞ廉価合戦をしてください、と言わざるを得ません。 でもこのままでは若い人達はドンドン宇部の街から離れていくのではありませんか? 「近くて便利」や「快適さ」とはどんなことかを、次に考えてみたいと思います。 1994/09/18 |
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