1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「商店街について」その1日曜日、久しぶりに新天町に行きました。数年前、幼かった子供たちを連れて日曜日ごとに車で買い物に出かけていた頃には、常盤通りの国道傍の駐車スペースはそう簡単には空いていませんでした。が、今回は午後1時過ぎ頃なのに、何台も空いているようでした。車を簡単に止められたのは良いのですが、何か一瞬気の抜けた感じを抱きました。以前、この時間帯には、食事客と買い物客で混雑していたのではないでしょうか? ちょうどお昼時だったので、高校時代に行ったことのあるラーメン屋さんに入ってみました。30年振りでしたが、期待していた通りの昔ながらの味でした。聞けば、このお店は45年間も続けておられるとのこと。転変の多いこの時代に、大変に貴重な存在だと思えます。ご主人のお話しをうかがいながら「頑張ってください」と店を後にしました。 昔ながらといえば、金物屋、履物屋、仏壇屋、家具屋、かばん屋などなど懐かしい看板が並んでいました。でも残念なことに、私の記憶の中にある両親も親しかった履物屋さん、高校時代、小遣いを溜めてはビートルズのレコードを買いに行った老舗のレコード店は既にありません。食事の後で新天町の西の端まで歩いてみましたが、定休日ではないのにシャッターの下りている店が何軒もありました。「空き店舗」の多い光景に一抹の寂しさを覚えるのは、久し振りに行った私ばかりではないでしょう。 (今は、「ギャラリー」に改称していますが)民芸店にも行ってみました。昔からあるお店ですが、このような形態のお店は全国どこの地域でも希少になっているようです。 我々夫婦の突然の侵入者が店主と初老のご婦人の会話に割り込んだ形になり、店内はしばし、「商店街の活性化談議」に花が咲きました。 初老のご婦人から「新天町や銀天街もこの頃は人通りが少なくなっている。この店のように珍しいものを置いている店が少ないですよ。」という発言がありましたが、最近、宇部市内ではこのような評判が多く聞かれるようです。もっとも「既存商店街の停滞問題」は宇部市だけではなく、日本全国、いや海外でも言われています。短期サイクルで盛衰を繰り返す商業の宿命ではあるのでしょうが、私たち消費者にとっては深刻な問題です。そして、近い将来宇部市の東西地区への郊外型のショッピング・センターの立地はこの状態にさらに追い打ちをかけるのではないか、と気になります。 商店街には、私の友人も多くいます。国内の成功事例の調査や勉強を重ねている彼等の長い間の、心血をそそいだ苦労を目のあたりにしていますが、やはり移り行く消費者の気持ちを捉え続けることは難しいのでしょうか。 私自身の消費性向を振り返りながら、この欄を借りて、しばらく、宇部の商店街の振興について考えてみたいと思っています。 1994/09/13 |
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