1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「彫刻について」その2私達のまち宇部市は「緑と花と彫刻のまち」と「緑と花の工業都」のキャッチフレーズを持っています。このため、私達の諸先輩は早くから緑化に取り組み、街路樹、花壇づくり、公園整備に力を入れるとともに、「まちを彫刻で飾る運動」を進めてこられました。その伝統は今でも受け継がれ、毎年「街路樹」「花壇づくり」「公園整備」に関する各事業は着実に実施され、宇部のまちづくりに大きな寄与をしています。一方、その一翼を担う「彫刻」については、特に神戸市の須磨離宮公園とのビエンナーレ(隔年)方式で定例化されている「現代日本彫刻展」の開催が最も大きな事業です。昭和36年「宇部市野外彫刻展」としてスタートし、昭和40年には現在の「現代日本彫刻展」となり、来年で16回目を迎えます。宇部市でこの事業が開催される年度は、直接的経費だけでも約5千万円が予算計上されています。 ところで、本年3月定例市議会での市長の平成6年度の施政方針演説に「本年度は、第16回現代彫刻展の開催準備年にあたりますので、全国規模の模型作品を公募し、公募展を開催するとともに、出品作品を公開展示したい」との発言がありました。ご存じのとおり宇部市は「緑と花と彫刻のまち宇部」をまちづくりの中核的な指針としています。だとすれば、我が宇部市では彫刻を活用したり、彫刻を中心とした施策や活動が毎年あっても何ら不思議では無い筈です。確かに、2年に1回の彫刻展開催時に約5千万円もの資金が投じられていますが、展覧会の前後の年にはそれに匹敵するような事業は行なわれません。しかし、「緑と花と彫刻のまち」や「緑と花の工業都」を標榜する「彫刻のまち宇部」はその程度の力の入れようで良いのでしょうか?市長の施政方針演説を読みながら、彫刻について他には触れられていないことが残念にも思えました。 そこで、「彫刻のまちづくり」を推進していくために、この「開催準備年」こそがまさに文字どおり「準備の年」ですから、彫刻展が開催される多忙な年には実施できない企画を考えると面白いのではないでしょうか?例えば、この34年間の彫刻設置運動が宇部市のまちづくりや宇部市民の生活にどのような役割を果たしてきたのか、をジックリと見つめ直す事業があってもいいではありませんか?あるいは、常盤公園や真締川を開催場所に選んだコンサートなどはどうでしょうか?現在の宇部市の最重要課題の一つである若者定住策を絡ませて、若い人達が関心を持つ歌手のコンサートなどをこの「開催準備年」に継続的に開催するのは如何がでしょうか? このような手法を講じることによって、30年を超える「現代日本彫刻展」の成果が市民の間に徐々に浸透するとともに、真の意味で「緑と花と彫刻のまち宇部」のまちづくりが進むことが期待できるのではないでしょうか。 このような観点から「開催準備年」においては、彫刻に関するソフト面を重視した宇部市独自の企画の実施が望まれます。 1994/07/19 |
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