1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「美しいまちづくり」このサンフランシスコのまちには個性的な形、変わったデザインの家々が満ち溢れています。ですから決して“調和のとれたまちなみ”とは言えないかも知れません。特に派手な色の建物が多いのでもなく、むしろ日本に比べて屋根や壁の色彩の種類は少ないように思えるのです。意外(?)と地味なのです。昨年、このまちを訪れたときも同じことで考えこみました「なぜ、このまちは美しく感じるのだろうか?何が宇部と違うのだろうか?」と。不思議なことに、遠くから眺めれば眺めるほどその街並の美しさは際だってくるのです。そんなことを思いながら、(多分)昨年と同様の風景を何枚も何枚も撮り続けていました。 よく見ると、日本と異なる点が三つあることに気がつきました。 まず、建物の色彩の基調が白であることです。たとえ、白でなくてもグレーやベージュの白系統であることです。次に、街中に緑(の樹木)が多いことでした。そして最後は、家並みと通りが碁盤の目の様にきれいに整列していることです。 これらの原因は多分、カルフォルニア地帯が温暖で湿気の少ない西海岸特有の気候であること、次に元々そのまま放っておくと砂漠化してしまう地質であるため、充分な配水と緑化が進んでいること、そして最後には国土が途方もなく広いことだと思います。確かに、これら原因といえるものは日本とは異なっており、真似することの不可能な独特の風土であると思えます。 そう考える一方で、「いや、日本、宇部でもここサンフランシスコとは違った点で美しいまちづくりができる筈だ、見習える点もある筈だ」と思いました。 でも本当に私達が見習える点があるのでしょうか?どのようにしたら私達のまち宇部が“美しく個性的なまち”になれるのでしょうか?サンフランシスコのまちを歩きながら、私はこんなことを考えました。 まず第一に、私達市民が責任を持って“まち”を作っていくという自覚を持つことが大前提のように思えます。 次に、“個性的なまちづくり”はトータルに進めなければなりません。単発的にものを作るのではなく、周辺の住宅建築や道路、施設などが計画的、一体的に整備されなければならないでしょう。 さらには、人真似ではなく、独自な創造性が発揮されなくてはなりませんから、私達のまちの特徴や歴史性も生かされていることが重要です。 そしてその上で私達市民の日常的な協働作業が必要です。“私達のまち”は市民が積極的、主体的に参加して作るものですから。 この間、日本全国で似たような商店街や広場、大規模な施設などができているように思えますが、これでは本当に“美しく個性的なまち”ができる筈がありません。 そんな手法で、私達のまちづくりが進んでいくとは期待できません。 訪れる人を感動させる“個性的なまちづくり”には「美しく個性的なまちを作りたい」という私達市民の心と知恵が先行し、協力し合える気持ちが大切だと思えます。 今、スナップ写真を眺めながら『ローマは一日にしてならず』との言葉を思いだしています。 1994/05/21 |
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