1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
「いま、宇部市は何歳?」いま、宇部市の年令は何歳でしょうか?市制70周年だから70歳?正解でしょう。でも別の見方もありますよ。 93年末の『日経地域経済情報』によれば、宇部市の「都市の年令」は49.4歳です。(正確には、宇部市、小野田市、阿知須町、楠町、山陽町を含む都市圏域の年令です。) 都市には盛衰があります。周辺からの集中化で一旦社会増になった都市も、より大きな都市圏に引かれた若者の流出などにより社会減に陥ります。そして、やがてその都市に自然減が始まり衰退していきます。そうした都市の変化を人の一生になぞらえると一体、いま住んでいる都市は何歳になるのか、人口動態、商工業の成長力、老齢人口比率等を組み合わせ算定された全国的な調査なのです。 ちなみに、山口市が29.4歳、岩国市が53.5歳、徳山市が54.4歳、下関市が57.8歳となっています。宇部市は若いのでしょうか、それとも高齢化しているのでしょうか? 同誌は、若年都市には内陸工業都市が多く、産炭地域など構造転換に乗り遅れたかっての代表的産業都市では高齢化が進んでおり、年令の若い都市には次の二つのタイプがあると指摘しています。一つは、地方圏ブロックの中心都市、もう一つは、若者を雇用する企業が張り付いている産業色の濃い都市です。 後者の特徴としては、自動車産業、高速道路網の整備に連動していること、加工組立型のメーカーが近代的な工場を展開していったところが目立つ、と述べています。 また若い都市の中には、テクノポリス圏域市町村が12を数えていることも指摘しています。 ところで、若い都市の紹介の中で少し興味を惹かれるものがあります。 紡績産業の衰退で1965年以降、社会減が続いていたのに、85年以降一転して社会増が続いている都市があるのです。愛知県の四日市市です。 住宅開発の進展で名古屋のベッドタウンとしての性格を帯びてきたことが挙げられますが、産業構造や企業そのものの変化が大きい、と分析されています。 研究開発部門を有する企業、従業員の割合が高いことです。また、同市では加工組立型工業の導入も進んでおり、90年以降工業団地が着々と完成していることが挙げられます。さらに、人口増加の原因として、四日市大学の開学(約1,800人)と白鴎大学の開学(約2,300人)が見逃せません。ここに市独自の政策選択の重要性がうかがえます。 ただ、若い都市、特に産業色の強い都市が永遠に今の年令を保てるかは疑問です。例えば、自動車が第二の造船になった時、あるいは道路網の整備が進んで、現在独立している圏域が更に大きい周辺都市の副次的な都市に成り下がってしまう時です。独立した都市圏域でなくなれば自立的な年令自体を失ってしまうからです。 宇部市は「テクノポリス・新都市の建設」「大学都市」「高速道路網の整備」と若い都市の条件を備えています。しかし一方では「かっての産炭地域を基盤とした産業都市」「商工業の衰退傾向」「社会減による人口の減少」という負のイメージも抱えています。 さて、今後の我が宇部市は、このまま高齢化するのでしょうか、それともさらに若返ることができるのでしょうか? 1994/03/14 |
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