1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
古人の糟魄2か月ぶりにゴルフ・コンぺに参加しましたが、あることが原因で最近の秋晴れのようないい気分で帰宅しました。多くの賞をいただいたことにも増して、自分にしてみれば、長らく低迷していたスコアが突然好転したことが大変嬉しかった原因なのです。ちょうど一年前、一緒にラウンドした先輩に左膝の回転の悪さを指摘されて以来、約10パーセントもスコアが落ち込んでいたのですが、それが突然に回復したのです。 何が原因でショットが悪いのか自分でも解からず、人に尋ねたり、教本を読んで悩みに悩んでいました。しかし少しも改善されませんでした。いやそれどころか、スコアはますます悪くなっていたのです。 でも、スコア・アップは、とても些細なことが契機となりました。不思議なことです。 ラウンドの3分の1を消化した時点で自分の左足の爪先の開具合が異常に大きくなっているのに気が付きました。この一点だけなのです、変わったのは。すぐにスクウェアに改めてみました。 するとどうでしょう。以後の12ホールでは、ティー・ショットは全てフェア・ウェイをキープし、半年間いくら悩み工夫しても不可能だったパー・オンが続き、挙げ句の果てにニア・ピン賞も獲得できました。「あれだけ悩んでいるのにこの結果か」と情けない想いを繰り返していたのですが、その日の夜ばかりはビールが事のほか美味しく、(私の自慢話の間の家族の不快な表情にはまったく無頓着で)瓶の数も増えましたよ。 その夜、床について寝付く前にこんな言葉を思い出しました。 「君の読むところのものは古人の糟魄のみ」(荘子) 読書をしていた斉の桓公に車大工がこう語ったといいます。「例えば、車の軸受けをつくるとします。車軸に合わせてピッタリにつくるコツは、言葉では説明できません。口をすっぱくして伜に教えておりますが、まだダメでございます。昔の偉い人も、本当に言いたいことは記録に残せなかったと思います。してみれば、お読みになっているその本は、昔の人のクソ(古人の糟魄)みたいなものでしょう」これを聞いて、「車大工ふぜいが生意気なことを」と腹を立てていた桓公も納得したそうです。 車大工が言いたかったのは、技術のノウハウとか経営の勘というのは、実践の中でしか身に付かないということなのでしょう。 先日のゴルフで私が体験したのは、まさしくこの言葉どおりだったのです。 多分これから私のゴルフ・スコアは、上昇の一途を辿ることと楽しみです。(でも、この慢心が災いして、叉すぐにOB病が再発するかもしれませんネ) 1993/10/11 |
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