1. 三つのルール 2. 野外彫刻、三つの活用法 3. 三つの「ウェア」 4. 文化を育む三つの「C」 5. 三つの期待 6. 三つの懸念 7. 三人の地域リーダー 8. 優れた企業、三つの条件 10. 三種の神器と三上の訓 11. 三人のトラバーユ 12. 深夜の国際電話 13. 選択的市民のすすめ 14. 明快少年出現! 15. ふるさと人材育成事業報告 16. 魅力あるまちづくりとは? 17. アメリカの常識、日本の非常識 18. 女性のバス運転手 19. たかがチップ されどチップ 20. ボーダレス時代の新市長に望むこと |
シンポ雑感その3「千葉都民」という言葉があります。千葉県船橋市に住んでいても、平日は都内で働き、休日もモッパラ都内で過ごす千葉県民を指しています。今更「東京都中心だ」と不平は言わず、密集しゴミゴミした都内に住まずに、少しユッタリとした郊外の生活をエンジョイ(?)します。そのようなライフ・スタイルを彼らは「選択」しているのです。 リレー・シンポの会場で「宇部中心が気になる」との発言がありました。 そう、「宇部中心で考える」べきではない、そんな発想を捨てるべきと思います。私は、これからまちづくりは「ネットワーク型の地域づくり」、即ち各地域の役割分担を前提とした共生・連携型の地域振興が考えられるべきだと思っています。どこが中心でもなく、どこが欠けても困る一体的な広域圏。そんな連携のとれた、即ちネットワーク型の地域振興が理想ではないのでしょうか?今、唱えられている「地方分散」もこのような考え方に基づくべきだと思います。 そのためには、各地域の固有の資源、即ち「宝物」が重要な役割を担うこととなります。三市三町の各地域で、「他に誇れるものは何か」が問われなければならないでしょう。全てのまちが工業都市でなく、リゾート都市でもなく、レジャー都市でもありません。観光資源や伝統的な地場産業もあれば、全国に誇れる大規模スポーツ施設もある。さらに工場や商店街で働く人達のための住宅団地も必要でしょう。例えば、宇部、小野田は工業や商業振興に力を入れ、阿知須は広い干拓地をスポーツ・レジャーに活用します。そして美祢は工業団地に力を入れ、楠木、山陽は圏域のベッドタウンとして、快適な住宅団地の整備に意を配ります。そんな計画を話し合う場が無いのでしょうか? 皆さん、市内に何でも揃っていないと満足できませんか?川や市や町の境を超えればいつでも利用できるじゃないですか?「これは自分達のまちのモノ、あれは他の町のモノ」とこだわって区別する、そんな狭い了見は捨てましょうよ。 行政が、市民が、そして経済界が結束して「自分達の地域にある宝物は何だろう?」と探すことから始めてはどうでしょうか?そんな作業の中から、まちの自慢話も始まり、意見交換が芽生えるのだと思えます。 地方では、各地域の連携・協力があってこそ総合的に活力のある都市が育つのではないでしょうか?かの金沢や函館、そして湯布院は東京や大阪、京都を超えるまちではありません。大都市に無い独特の資源、即ち「宝物」があり、それを長い間に地元住民が愛し、育んできたのではないでしょうか? 私達も、そのような「宝物」を探して、皆で共有し育てようではありませんか。 そのような地域には「一極集中型のまち」は育たず、「ネットワーク型のまち」が発生することでしょう。 そんなまちづくりのことをジックリと話し合える、次回はそんな「リレー・シンポジウム」にしてみたいものです。 1993/10/03 |
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