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12/31 プロジェクトの目標金額が大幅に上回りました。
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“迷子”の三原則夜半から久し振りの“慈雨”です。昨日、数週間振りに草刈をし、畑を耕しましたが、何と良いタイミングだったことか。 と、言う訳で、気持ちの良い日です。 今週の月曜日、I.Nで偶然目にした宇部市役所の「首都圏及び県域等での情報発信業務委託」に私的な興味が湧いたので、昨日、説明会に出席しました。 動機は、十数年前に「海峡メッセのオープニング・イベント」や東京恵比寿ガーデンプレースでの「やまぐち文殊庵」を通じて私が体得したメデイァとのネットワーク形成手法やパブリシティのノウハウが地元市民として役に立てるかなと思ったことと、現段階では、あまりにも時間と経費が足りないと考えられる中で、大変に重要なことに着手する市執行部の“やる気”を聞いてみたいとも思ったのです。 大変に良く準備されている資料(文)の説明を聞きながら、戦略性、重要性が発揮されなければならないこの事業の発案者は彼らではないのかもしれない、と失礼ながら感じました。日々、基礎自治体の業務を熱心に遂行している彼らには地域外への視点を持つことはなかなか難しい発想だと言えるからです。 そして、そこで配布された各種の資料を読み、完璧さに感心しながら、1996年、広報課長として「やまぐち文殊庵」の国内大手五社を対象とした委託業者選定の資料づくりを部下と額を突き合わせて考えた頃を思い出したのです。この仕事を通して部下諸君は、広告代理店の選定の重要性と難しさ、そして発注者としての県の責任を十分に自覚した筈です。 「やまぐち文殊庵」のコンセプトは“ひとの国やまぐち”でした。委託事業者決定後は、電通本社と「コンセプトづくり」や「実施計画づくり」など、私がもっぱら3年間発注サイドの責任者を務め、2001年「きらら博」へ繋ぎました。 宇部市の狙いも同様なのだと理解できました。 担当者の説明の後、私は確認を兼ねて以下の数点を尋ねました。 ( )内は室員からの回答です。 1「審査委員会はどのようなメンバーで構成される予定か?」 →(関係課の職員4名である) 2「この事業は継続を想定していないのか?」 →(していないが、平成25年度に考えている総合型の文化芸術大型イベントを中心として、 以降にもつながるネットワークの構築を考えている) 3「関西・近畿圏域は想定していないのか?」 →(想定していない) 4「資料中に、“潜在化しているものを含めて、今ある地域資源をターゲットやコンセプトを明確にして”とあるが、市としてこれが宇部市の地域資源だと言うものを定義していれば教えて欲しい。今回のような時間の無い条件下では、そうすることが得策だと思うがどうか?」 →(示せるものは無い) 5「プレゼンに制約があるのか?他者との競争・差別化を前提としたコンペのプレゼンだから、単なるテキストファイルをデジタル化したようなプレゼンテーションツール(ex. Power-Point)ばかりでなく、プロセスや動き・変化を示せるアプリケーションを使った方法を認めることが審査・評価をし易くできるのではないか?今や民間ではごく普通になっているプレゼンの手法だが?」 →(今は考えていないが、検討してみる) 他の出席者の反応や興味の具合も知りたかったのですが、説明会場に出席していたのは、私を含めて10人(8社?)、一見して営業担当者でしたので、他には大した質問はありませんでした。 もっとも、このような場で他社のヒント(?)になるような質問をしないのは業界の常識ですから当然だと思いますが、以上のやり取りの結果、説明会は終了しました。 この結果、担当のシティセールス推進室員がどのように整理するか、またどのように回答してくれるかは分かりませんが、当初の私の関心は薄らいでいます。 その理由としては、まず、「パブリシティ」については、この説明による手法よりも、市長記者会見を中心軸に据えて戦略を練った方が、より効率的、効果的、経済的かもしれないと思ったこと。 次に、できることならば、この予算・事業は、春先の当初予算の市長の記者発表時点から戦略的に仕掛ければ良かったのではないかと思ったからです。 マーケティングで “迷子の三原則” ということが言われます。 A 行き先が分からない。 B 行き方が分からない。 C どこに居るのか、分からない。 というものです。 要するに「理念・目的」、「構想・計画」、「戦略・戦術・手法」の綿密な連携と組み合わせの必要性が説かれている、巧い表現です。 「この点に関しては、宇部市(職員)は“迷子”の状態なのかもしれないな。」 会議が終わってからフッと思いました。 写真はクリックで拡大します。 |
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